岐阜県大野郡白川村
ゆったり白山・2702m
Sep 13/14/15. 2010

白山・室堂センターと御前峰

白山は、飛騨山脈の西に横たわる両白山地にあり、富山、石川、福井、岐阜の四県にまたがる。 そこは、加賀の白山と呼ばれ、日本の三霊山の一つとも言われ、一度は登ってみたい山である。

この度のルートは、岐阜県側からの唯一、白川村の大白川温泉からの平瀬道とし、ブナ・ダケカンバの原生林の尾根と、 そこから望む、エメラルドグリーンの白水湖を楽しみながら、山頂を目指すことにしました。

計画は、 『ゆったり白山』 とし、健脚諸氏には、想像も出来ない、二泊三日の登山計画です。

初日は、大白川高原散策、露天風呂堪能&白川湖畔ロッジ泊、二日目は、大倉山越えで原生林を楽しみ室堂を目指す。 三日目は、山頂の御前峰で御来光を拝し、お昼までに下山、大白川露天風呂に入り、明るいうちに帰豊することにしました。

メンバーは、賛同のFriend3名と、腰痛病み上がりの準後期高齢者の編集者です。猫の目のように変わる悩ましい 天気予報下でしたが、”山頂では晴れ”を期待し決行しました。 高齢者の白山登山の参考になることを期待し”ゆったり白山取材レポート”をお届けします。

写真説明、
夕陽に映える、室堂センターと白山(御前峰2702m)、夕食前の散策時、14日17:13 撮影


@コース案内: コースマップ コース断面図
A登山口:大白川高原P、標高1260m
B総所要時間: 約12時間(山頂までの往復歩行+休憩時間)/往復17Km・標高差±1790m


第1日 9/13: 大白川高原散策・露天風呂・白水湖畔ロッジ泊


・白水ノ滝 11:43

豊田市鞍か池のスマートICを8:30頃に通過、荘川桜の近況を確認し、のんびり移動で、お昼前に大白川高原へ、

到着記念に、日本の三名瀑といわれる『白水ノ滝』落差72m、ブナの原生林の展望所から望む、滝壺へは下りられない。



・白水湖 (大白川ダム) 13:07

堰堤はロックフィル方式の発電用ダム、この水は、地下トンネルで、御母衣ダムサイトの発電所へ送られる。

白山山麓から沁み出る白水が、白水湖でエメラルドグリーンと化す、湖畔からは92.5℃の源泉、平瀬温泉郷とロッジの露天風呂、床暖房に役立てる。



・ブナ林 14:33

大白川高原一帯は、ブナの原生林と白水の流れです。

標高は、1260m位で、森林浴と露天風呂目当てにキャンピングカーも訪れていました。



・露天風呂 14:56

露天風呂は、この入り口の奥で、白水湖面にあります。 入り口の蛇口からは、温泉が流れ、これを一口飲んでから入ります。 桶に玉子を入れて、湯に浸かり、出てくると温泉玉子が出来上がります。

湖畔ロッジの宿泊者は、登山の前後も露天風呂はフリーパスで楽しめます。

・露天風呂 15:11

このような露天風呂が、男湯・女湯とありますが、女性が同意し男湯へ入ることはお咎めはないという。

湯は、ほとんど無色澄明、塩味、硫黄味、などと温泉分析書に記され、シニアーの肌もつるつるになる。

・白水湖畔ロッジ 15:47
ロッジ前のベンチです。ここで、弁当を食べ、湯上りに旅行者、登山者との交流を楽しみます。
 神戸から、イタリア製Fiatのキャンピンカーで乗りつけた76歳の青年は、既に北海道と九州を巡ったといい、 我々に自慢のキャンピングカーを見せて、ヨーロッパのオートショーに出かけ品定めをした。 そして、入手までの苦難(日本の型式認定)とそれらの費用合計1,000万円とバカンス文化で鍛えられたフル装備の 生活空間を丁寧に説明した。
 しかし、何故か奥さんは、キャンピングカーを好まず、付いて来ないという。

・ロッジの夕食 17:36
ロッジの管理人は、7年の実績を積む所さんです。彼は、大自然愛好家のようで、白山の原生林を愛し、湖水をカヌーで巡り、 熊とも共生しているようです。
 夕食は、ロッジ自慢のビーフカレーですが、今日の、一品スペシャルは、 原生林のミズナラの根に自生する”マイタケ”を採ってきたので、天ぷらにしてご馳走するといい、バーナーに点火した。

彼から、熊の縄張りに入った時の謙虚な話を聞きながら、我々は生ビールを飲み干し、 原生林の珍味・揚げたての天ぷらをほおばった。とても美味しかった、ありがとう。

管理人の所さんが編集するHP、 『白水湖畔ロッジ』へどうぞ!




第2日 9/14: 大白川登山口・大倉山・室堂平散策・室堂泊


・登山口 6:30

昨夜のBS-TVの白川村の天気予報は、曇りのち晴れ、安心してぐっすり眠る。

6:30登山届けを提出し出発した。入山時の天候は、概ね晴れ、

登山口の白山ルート案内

・レインボー 6:44

入山間もなく、白水谷に架かる虹が歓迎する。るんるんの入山であった。

ところが、ブナ林帯を30分も進と、ガスが出て、やがて雨となる。傘とバックカバーで対応、 ブナの天蓋が雨除けとなり助かった。

・原生林&白水湖 8:32

ダケカンバの原生林帯を進むころ、雨も上がり、白水湖が顔を出す。素晴らしい眺めだ!



・尾根風景 8:43

尾根上に出る。周辺の山々を眺め一息入れる。入山から2時間10分経過する。



・大倉山2038m 9:29

3時間経過で、登路半ば、ほとんどが急登であり、よく登ったと思う。

山頂は狭く、笹と木立ち、白山山頂を仰ぐもガスで確認できず。

晴れていれば、2週間後は、大倉山から
白山の秋が確認出来るという(ロッジ情報)。

・尾根のダテカンバ 9:29

大倉山を越えると、御前峰に続く尾根が覗く、

この先のコルに大倉山避難小屋、


・大倉山避難小屋 9:57

H7年に、環境庁補助事業で出来た避難小屋です。

天候も回復したのでエネルギーを補給し、しっかり休む。




・カンクラ雪渓 11:08

この先が、かなり急な斜面で、7月頃まで大雪渓が残るという。

ここからは、ガスが抜ければ、御前峰も剣ヶ峰も確認できるポイント、

当日は確認できず。


・ナナカマド 11:33

ダケカンバが終ると、ナナカマド群生帯となる。 赤い実を沢山つけ、紅葉の準備中、

松本から安房峠トンネルをくぐり来たる山ガールが大きなバックを背負い我々を追い抜く、 彼女の計画は、日帰りで御前峰ピストンなのだ、


・ナナカマドの実 11:28

一つつぶしてしてみたら、濃厚なミルク状の液体が出た、

山鳥の栄養源か?




・大倉尾根分岐 11:56

もうここは、室堂平に続くハエマツ帯だ、あと0.5Km、

左へ進と、別山経由銚子ヶ岳、石徹白へ、


・室堂散策記念 17:07
室堂センター到着12:10、5時間40分/6.9Km、
 超健脚さんとSさんは、目標歩数に至らず、早速山頂エリア一周に出かけ、2時間後下山、ケロリ、 高齢者2名は、室堂散策、のんびり、
 室堂センターのスタッフは、明日は快晴と言いい、我々にいろいろ尋ねた。 我々の山行プランを聞いて安心したようだ、かれは、昨今のケイタイ仲間の若者が困るという。 彼らは、仲間の名前も住所も知らず、ケイタイのニックネームだけが唯一の個人情報なのだ。 従って、遭難しても家族への連絡が困難と、こぼした。



第3日 9/15: 室堂センター・御前峰・平瀬道・大白川登山口



・御来光 5:36

御前峰の御来光です。雲海の上にアルプスの稜線が浮かぶ。

富士山から、南アルプス、そして北アルプスを一望する。槍の穂も浮かびます。



・御前峰 5:57

懸案の白山山頂に立つ編集者、

真東に、乗鞍岳、右に御嶽山、左に穂高の峰を確認、



・白山の火口 5:59

御前峰から火口の眺め、

右が、剣ヶ峰、左奥が大汝峰、

・室堂平&別山 9:29

御前峰から南方の眺め、室堂センターそして左に別山、この山越え縦走路が石徹白道(南縦路)、



・御前峰・白山 6:01

山頂の様子です。木柱の白山標識と石柱の御前峰・一等三角点、そして白山神社奥の院がある。

山頂は狭く、登山シーズンは、大変な混雑と思う。当日は、室堂センター宿泊者は、35名と聞く、

・白山登頂記念 6:06

御前峰石柱にて、左から、Kさん、Sさん、超健脚さん、そして、編集者のJA2TKOです。

石柱の付け根に、一等三角点がある。

ここから、室堂センターまでの下り30分、

朝食を済まして、7:30から下山開始,、天候は晴れ、爽やか、

・三方崩山 2059m 8:05
左手に、三方崩山を見ながら颯爽下山、
 この山は、平瀬温泉から7時間の健脚コースで、私は未踏峰、 山頂付近の三方が崩れて、高齢者には困難で危険と思われた。

 下るにつれ、大白川高原早朝発の登山者が登ってくる、その都度聞くと、 5から6時ごろの出発で、多くは日帰りという。何れも健脚のベテランのようであった。

 42歳の男性スノーボーダーは、室堂の残雪でスノーボードをしたい、 その調査に来たという、5時間で駆ける様に往復した。

・シラタマの木 8:08

別名、コケモモという。白い実をつぶすとサロンパスの香り、 筋肉痛に効くかも?

食べると、ミントの味がするとか、試食せずに下山、



・大倉山&白水湖 8:13

左の鞍部が大倉山、その手前のコルに大倉山避難小屋、

眼下に、白水湖、

・ダケカンバ 10:18

尾根にもこのような巨樹が聳える。

眼下は、湖面までダテカンバとブナの原生林が続く、

標高差1200mは、どんどん下るもなかなか湖面までの届かず。

・下山 12:07

当初の下山目標は12:00でしたので、7分の超過ですが、全員無事に大白川高原登山口へ下山、

室堂からの所要時間は、4時間37分です。 ガイドブックの下山時間は3時間15分+休憩時間です。

白水湖畔ロッジに無事下山を告げ、早速露天風呂へ、 皆さん、お疲れさん。



《取材メモ》
今年は白山、当初は雪解けを待って決行と決めていましたが、腰痛が邪魔をしまして、9月にもつれ込みました。 そして、悪天候なら、ナナカマドが色付く頃と決めました。

幸い、天候にも恵まれ、この度、懸案の白山・平瀬道を楽しむことが出来ました。参加者も大喜びです。 私は、3霊山(立山・御嶽山・富士山)を体験できました。これは、この11年間にお世話になった多くの皆さんのお陰です、 ありがとう。

次に、白山・平瀬道を体験し、取材し、感じたことをメモします。

@ゆったり白山プランは、高齢者(私)にとって極めて快適で、楽し登山となった。

Aこの時期の平瀬道の登山者は、健脚者で、早朝出発の日帰り登山者が目立った。(道の駅で仮眠し朝早く上がってくる)

B白水湖ロッジは、紅葉前の閑散期で、ゆったり宿泊できた。食事も、弁当も美味しかった。

C室堂センターについて、

 ・食事が非常にまずかった。責任者の試食を望む、

 ・天気図掲示板の予報図が更新されていない、原因:無線FAXが故障、

 ・二段ベッドは、天井が低く頭を何回もぶつけた、ピン角のところにはラバーをつけてケガ防止が必要、

D県道白川公園線(R451)は、大雨の後は落石の危険あり、我々も前夜の大雨の落石を避けて進む、 我々が帰った翌々日から夜間通行止めとなった。

E平瀬道は、上部の痩せ尾根で崩落個所がいくつもある。大雨なら再度の崩落が予測される。

《JA2TKO山川柳》

”ゆったりは 湯っ足りしたい 山歩き” ・・・ 腰痛病み上がりの編集者

”ゆったりは 散歩程度だ もの足らぬ”・・・超健脚さん

”平瀬道 日帰り登山 自慢する”・・・女性シニアー登山家

皆さん、Friendさん、お元気で




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