白山・室堂センターと御前峰
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白山は、飛騨山脈の西に横たわる両白山地にあり、富山、石川、福井、岐阜の四県にまたがる。
そこは、加賀の白山と呼ばれ、日本の三霊山の一つとも言われ、一度は登ってみたい山である。
この度のルートは、岐阜県側からの唯一、白川村の大白川温泉からの平瀬道とし、ブナ・ダケカンバの原生林の尾根と、
そこから望む、エメラルドグリーンの白水湖を楽しみながら、山頂を目指すことにしました。
計画は、
『ゆったり白山』
とし、健脚諸氏には、想像も出来ない、二泊三日の登山計画です。
初日は、大白川高原散策、露天風呂堪能&白川湖畔ロッジ泊、二日目は、大倉山越えで原生林を楽しみ室堂を目指す。
三日目は、山頂の御前峰で御来光を拝し、お昼までに下山、大白川露天風呂に入り、明るいうちに帰豊することにしました。
メンバーは、賛同のFriend3名と、腰痛病み上がりの準後期高齢者の編集者です。猫の目のように変わる悩ましい
天気予報下でしたが、”山頂では晴れ”を期待し決行しました。
高齢者の白山登山の参考になることを期待し”ゆったり白山取材レポート”をお届けします。
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写真説明、
夕陽に映える、室堂センターと白山(御前峰2702m)、夕食前の散策時、14日17:13 撮影
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@コース案内:
コースマップ・
コース断面図
A登山口:大白川高原P、標高1260m
B総所要時間: 約12時間(山頂までの往復歩行+休憩時間)/往復17Km・標高差±1790m
第1日 9/13: 大白川高原散策・露天風呂・白水湖畔ロッジ泊
・白水ノ滝 11:43
豊田市鞍か池のスマートICを8:30頃に通過、荘川桜の近況を確認し、のんびり移動で、お昼前に大白川高原へ、
到着記念に、日本の三名瀑といわれる『白水ノ滝』落差72m、ブナの原生林の展望所から望む、滝壺へは下りられない。
・白水湖 (大白川ダム) 13:07
堰堤はロックフィル方式の発電用ダム、この水は、地下トンネルで、御母衣ダムサイトの発電所へ送られる。
白山山麓から沁み出る白水が、白水湖でエメラルドグリーンと化す、湖畔からは92.5℃の源泉、平瀬温泉郷とロッジの露天風呂、床暖房に役立てる。
・ブナ林 14:33
大白川高原一帯は、ブナの原生林と白水の流れです。
標高は、1260m位で、森林浴と露天風呂目当てにキャンピングカーも訪れていました。
・露天風呂 14:56
露天風呂は、この入り口の奥で、白水湖面にあります。
入り口の蛇口からは、温泉が流れ、これを一口飲んでから入ります。
桶に玉子を入れて、湯に浸かり、出てくると温泉玉子が出来上がります。
湖畔ロッジの宿泊者は、登山の前後も露天風呂はフリーパスで楽しめます。
・露天風呂 15:11
このような露天風呂が、男湯・女湯とありますが、女性が同意し男湯へ入ることはお咎めはないという。
湯は、ほとんど無色澄明、塩味、硫黄味、などと温泉分析書に記され、シニアーの肌もつるつるになる。
・白水湖畔ロッジ 15:47
ロッジ前のベンチです。ここで、弁当を食べ、湯上りに旅行者、登山者との交流を楽しみます。
神戸から、イタリア製Fiatのキャンピンカーで乗りつけた76歳の青年は、既に北海道と九州を巡ったといい、
我々に自慢のキャンピングカーを見せて、ヨーロッパのオートショーに出かけ品定めをした。
そして、入手までの苦難(日本の型式認定)とそれらの費用合計1,000万円とバカンス文化で鍛えられたフル装備の
生活空間を丁寧に説明した。
しかし、何故か奥さんは、キャンピングカーを好まず、付いて来ないという。
・ロッジの夕食 17:36
ロッジの管理人は、7年の実績を積む所さんです。彼は、大自然愛好家のようで、白山の原生林を愛し、湖水をカヌーで巡り、
熊とも共生しているようです。
夕食は、ロッジ自慢のビーフカレーですが、今日の、一品スペシャルは、
原生林のミズナラの根に自生する”マイタケ”を採ってきたので、天ぷらにしてご馳走するといい、バーナーに点火した。
彼から、熊の縄張りに入った時の謙虚な話を聞きながら、我々は生ビールを飲み干し、
原生林の珍味・揚げたての天ぷらをほおばった。とても美味しかった、ありがとう。
管理人の所さんが編集するHP、
『白水湖畔ロッジ』へどうぞ!
第2日 9/14: 大白川登山口・大倉山・室堂平散策・室堂泊
・登山口 6:30
昨夜のBS-TVの白川村の天気予報は、曇りのち晴れ、安心してぐっすり眠る。
6:30登山届けを提出し出発した。入山時の天候は、概ね晴れ、
登山口の白山ルート案内
・レインボー 6:44
入山間もなく、白水谷に架かる虹が歓迎する。るんるんの入山であった。
ところが、ブナ林帯を30分も進と、ガスが出て、やがて雨となる。傘とバックカバーで対応、
ブナの天蓋が雨除けとなり助かった。
・原生林&白水湖 8:32
ダケカンバの原生林帯を進むころ、雨も上がり、白水湖が顔を出す。素晴らしい眺めだ!
・尾根風景 8:43
尾根上に出る。周辺の山々を眺め一息入れる。入山から2時間10分経過する。
・大倉山2038m 9:29
3時間経過で、登路半ば、ほとんどが急登であり、よく登ったと思う。
山頂は狭く、笹と木立ち、白山山頂を仰ぐもガスで確認できず。
晴れていれば、2週間後は、大倉山から
白山の秋が確認出来るという(ロッジ情報)。
・尾根のダテカンバ 9:29
大倉山を越えると、御前峰に続く尾根が覗く、
この先のコルに大倉山避難小屋、
・大倉山避難小屋 9:57
H7年に、環境庁補助事業で出来た避難小屋です。
天候も回復したのでエネルギーを補給し、しっかり休む。
・カンクラ雪渓 11:08
この先が、かなり急な斜面で、7月頃まで大雪渓が残るという。
ここからは、ガスが抜ければ、御前峰も剣ヶ峰も確認できるポイント、
当日は確認できず。
・ナナカマド 11:33
ダケカンバが終ると、ナナカマド群生帯となる。
赤い実を沢山つけ、紅葉の準備中、
松本から安房峠トンネルをくぐり来たる山ガールが大きなバックを背負い我々を追い抜く、
彼女の計画は、日帰りで御前峰ピストンなのだ、
・ナナカマドの実 11:28
一つつぶしてしてみたら、濃厚なミルク状の液体が出た、
山鳥の栄養源か?
・大倉尾根分岐 11:56
もうここは、室堂平に続くハエマツ帯だ、あと0.5Km、
左へ進と、別山経由銚子ヶ岳、石徹白へ、
・室堂散策記念 17:07
室堂センター到着12:10、5時間40分/6.9Km、
超健脚さんとSさんは、目標歩数に至らず、早速山頂エリア一周に出かけ、2時間後下山、ケロリ、
高齢者2名は、室堂散策、のんびり、
室堂センターのスタッフは、明日は快晴と言いい、我々にいろいろ尋ねた。
我々の山行プランを聞いて安心したようだ、かれは、昨今のケイタイ仲間の若者が困るという。
彼らは、仲間の名前も住所も知らず、ケイタイのニックネームだけが唯一の個人情報なのだ。
従って、遭難しても家族への連絡が困難と、こぼした。
第3日 9/15: 室堂センター・御前峰・平瀬道・大白川登山口
・御来光 5:36
御前峰の御来光です。雲海の上にアルプスの稜線が浮かぶ。
富士山から、南アルプス、そして北アルプスを一望する。槍の穂も浮かびます。
・御前峰 5:57
懸案の白山山頂に立つ編集者、
真東に、乗鞍岳、右に御嶽山、左に穂高の峰を確認、
・白山の火口 5:59
御前峰から火口の眺め、 右が、剣ヶ峰、左奥が大汝峰、
・室堂平&別山 9:29
御前峰から南方の眺め、室堂センターそして左に別山、この山越え縦走路が石徹白道(南縦路)、
・御前峰・白山 6:01
山頂の様子です。木柱の白山標識と石柱の御前峰・一等三角点、そして白山神社奥の院がある。
山頂は狭く、登山シーズンは、大変な混雑と思う。当日は、室堂センター宿泊者は、35名と聞く、
・白山登頂記念 6:06
御前峰石柱にて、左から、Kさん、Sさん、超健脚さん、そして、編集者のJA2TKOです。
石柱の付け根に、一等三角点がある。
ここから、室堂センターまでの下り30分、
朝食を済まして、7:30から下山開始,、天候は晴れ、爽やか、
・三方崩山 2059m 8:05
左手に、三方崩山を見ながら颯爽下山、
この山は、平瀬温泉から7時間の健脚コースで、私は未踏峰、
山頂付近の三方が崩れて、高齢者には困難で危険と思われた。
下るにつれ、大白川高原早朝発の登山者が登ってくる、その都度聞くと、
5から6時ごろの出発で、多くは日帰りという。何れも健脚のベテランのようであった。
42歳の男性スノーボーダーは、室堂の残雪でスノーボードをしたい、
その調査に来たという、5時間で駆ける様に往復した。
・シラタマの木 8:08
別名、コケモモという。白い実をつぶすとサロンパスの香り、
筋肉痛に効くかも?
食べると、ミントの味がするとか、試食せずに下山、
・大倉山&白水湖 8:13
左の鞍部が大倉山、その手前のコルに大倉山避難小屋、
眼下に、白水湖、
・ダケカンバ 10:18
尾根にもこのような巨樹が聳える。
眼下は、湖面までダテカンバとブナの原生林が続く、
標高差1200mは、どんどん下るもなかなか湖面までの届かず。
・下山 12:07
当初の下山目標は12:00でしたので、7分の超過ですが、全員無事に大白川高原登山口へ下山、
室堂からの所要時間は、4時間37分です。
ガイドブックの下山時間は3時間15分+休憩時間です。
白水湖畔ロッジに無事下山を告げ、早速露天風呂へ、
皆さん、お疲れさん。
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《取材メモ》
今年は白山、当初は雪解けを待って決行と決めていましたが、腰痛が邪魔をしまして、9月にもつれ込みました。
そして、悪天候なら、ナナカマドが色付く頃と決めました。
幸い、天候にも恵まれ、この度、懸案の白山・平瀬道を楽しむことが出来ました。参加者も大喜びです。
私は、3霊山(立山・御嶽山・富士山)を体験できました。これは、この11年間にお世話になった多くの皆さんのお陰です、
ありがとう。
次に、白山・平瀬道を体験し、取材し、感じたことをメモします。
@ゆったり白山プランは、高齢者(私)にとって極めて快適で、楽し登山となった。
Aこの時期の平瀬道の登山者は、健脚者で、早朝出発の日帰り登山者が目立った。(道の駅で仮眠し朝早く上がってくる)
B白水湖ロッジは、紅葉前の閑散期で、ゆったり宿泊できた。食事も、弁当も美味しかった。
C室堂センターについて、
・食事が非常にまずかった。責任者の試食を望む、
・天気図掲示板の予報図が更新されていない、原因:無線FAXが故障、
・二段ベッドは、天井が低く頭を何回もぶつけた、ピン角のところにはラバーをつけてケガ防止が必要、
D県道白川公園線(R451)は、大雨の後は落石の危険あり、我々も前夜の大雨の落石を避けて進む、
我々が帰った翌々日から夜間通行止めとなった。
E平瀬道は、上部の痩せ尾根で崩落個所がいくつもある。大雨なら再度の崩落が予測される。
《JA2TKO山川柳》
”ゆったりは 湯っ足りしたい 山歩き” ・・・ 腰痛病み上がりの編集者
”ゆったりは 散歩程度だ もの足らぬ”・・・超健脚さん
”平瀬道 日帰り登山 自慢する”・・・女性シニアー登山家
皆さん、Friendさん、お元気で
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