新潟県糸魚川市大所
蓮華温泉と蓮華の森自然歩道ハイキング・秘湯探検 2017
July 27.28.29 2017

蓮華温泉の湯煙を背に 『仙気ノ湯』 を満喫する秘湯探検隊の一行4名

蓮華温泉は、越後の秘湯である。

その発見は、上杉謙信が蓮華温泉の南西 2.8 kmの雪倉岳の東山腹に雪倉銀山を開発した1617年頃と伝えられる。

温泉名の由来は、白馬岳の越中・越後側の名称・蓮華岳による。かつては猟師や樵に愛用され、やがて不便な山奥ながら湯治場として発展する。

現在は、白馬連山への登山口として、 白馬岳 蓮華温泉ロッジを拠点に入山する登山者で賑わう。

われわれ秘湯探検隊 4名は、1894年( 明治27年 )- 日本アルプスを世界に紹介したイギリス人宣教師・ウォルター ウェストンが、 この温泉に2連泊し、白馬岳に登頂した当時に思いを馳せ、彼らも感激した湯煙と露天風呂、当時、白馬岳を目指した鉱山道を求めて 白馬岳 蓮華温泉ロッジ 2連泊を計画し、人生後半 林住期(2名)、遊行期<2名)を楽しむ山旅を計画した。

それでは、同級生Kと賑やかな山 Friend S & N と共に巡った蓮華温泉と蓮華の森自然歩道ハイキングを楽しみ下さい。

写真説明、

2 連泊最終日の朝食前に、仙気ノ湯を堪能する秘湯探検隊の皆さん、左から、Sさん、Nさん、JA2TKO、& Kさん(この写真提供)
7月29日 05:48 撮影



秘湯探検隊の入手情報(2回目クリックで更に拡大):

@ 蓮華温泉ロッジ前バス停「新潟県糸魚川市大所|マピオン」地図へ ■マップコード(カーナビ設定用)535 486 880*16 ■

A 源泉の違う4つの露天風呂(ロッジのHPより)

B 蓮華温泉ロッジ内湯の写真

C 蓮華温泉ロッジ内湯:源泉名:総湯の成分表

D 蓮華の森自然歩道ガイド(ロッジのフロントで入手)

E 蓮華の森自然歩道・Renge Nature Trail(ロッジ前の掲示板より)

F 蓮華温泉ハイキングマップ(カシミール3D)

G 蓮華温泉ハイキングルート断面(カシミール3D)

H 蓮華温泉周辺の山岳ルート3Dマップ・開いた画像を再クリックで拡大(ロッジ前の掲示板より)

I 蓮華ジオサイト(Renge Geosite)・露天風呂・火山噴気帯)



・・・ 蓮華温泉・ 7/27/28/29 ・・・



・白馬岳 蓮華温泉ロッジ ・7/27 15:02

蓮華温泉ロッジのHPによると、標高1,475m、
新潟県側からの北アルプスへの玄関口の山小屋です。

われわれは、N さんのVoxy 4WD で豊田市を7:00 に出発し14:30に到着、早めのチェックイン、初日は、栂池高原の自然園を散策後の予定でしたが、 天候不順で栂池高原をカットしたためです。

立派な山小屋ですが、そこは、ロッジ専用の”衛星ケイタイ”が唯一の通信手段、一般のケイタイもTVも総て圏外、下界とは隔離される。

電気は、自家発電で21:00 から5:00までが非常灯を除いて消灯タイム、水は、天然水で洗面所での飲用OK、
温泉は、ヒノキの内湯があり、清掃時間(7:30〜9:00)を除いて終日入浴OKです。

・・・蓮華温泉の蓮華とは・・・
・糸魚川の漁師が船で沖に出て、この北アルプス一帯を見た時にハスの花に見えることからこの名がつきました。 その昔、白馬岳のことを大蓮華山と呼んでいたそうです。


・黄金の湯・7/27 15:58

夕食前に、露天風呂を総て攻略予定でしたが、雨となり、黄金の湯に挑戦して撤退、

黄金の湯の底は、天然のぬめりコケ?が密生し、滑るの立てません。

総てが自然のままです。



・夕食 7/27・17:48

ロッジは、1泊2食:9.500円税込です、

無事到着と明日の天候回復を願って乾杯!

・空模様 ・7/27 18:07

二階の8畳和室からの眺めです。

夏山シーズンで大部屋を覚悟していましたが、4人で1室与えられくつろげました。

明日のハイキングの天候が気になりますが、21:00 消灯で全員熟睡したようです。

眼を覚ますと、同級生のKさんがランプ片手に露天風呂を一周し征服したという。

三国一ノ湯 ・7/29 5:07

三国とは? 日本、唐土、天竺をいう、

しからば、三国一狭い露天風呂か?お湯はぬるめ、

・湯田地帯・7/29 5:19

朝食前に調査する隊員



・薬師の湯案内・7/29 5:16

何故かここだけ女性優先という、

一緒に来たら、男性は待たされるようだ、早く入ろう!

・薬師の湯案内・7/29 5:16

看板の掛け方まで書いてある、



・薬師の湯案内・7/29 5:16

掛け忘れたときはどうなるか?



・薬師の湯 ・7/29 5:49

女性優先の湯を楽しむ秘湯探検隊、

後方の湯気の近くからお湯が流れてくるだけ、

着替えの小屋などありませんよ。

・ナナカマド? ・7/29 6:08

山中でも、所どころで色ずく?



・Walter Weston ・7/28 17:41

ロッジのロビーに掲示される、 この記念写真は貴重で、蓮華温泉の宝です。

謹んで、公開させていただきます。

明治27年(1894)は、7/25 日清戦争開戦の年、彼は蓮華温泉〜白馬岳往復をたのしんだ、

彼が、白馬大雪渓ルートで登ったのが大正2年(1913)で52歳、その19年も前である。

書籍『白馬岳の百年』P238、によるとハミルトントと二人で登ったとの記述あり、彼の右後ろの同じ帽子の人かもしれない。

写真をクリックで拡大、

詳しくは、 『ウォルター・ウェストン(Walter Weston, 1861〜1940年)』

・一陽来復
(いちようらいふく)・7/29 7:22

ロッジのロビーの額が気になった。

・調べてみると、

新潟県知事(1974〜1980)の君 健男氏が、白馬岳 蓮華温泉ロッジの為に揮毫した。

・その意味は、

一陽来復とは、冬が終わり、春が訪れること。

また、不遇のときが続いた後、幸運に向かっていくこと。

・用例;ようやく一陽来復の兆しが見えてきた、

ロッジの従業員は、”朝は、ふたたび来る”と説明した。



・・・・ 秘湯探検おわり ・・・・



・・・ 蓮華の森自然遊歩道ハイキング 7/28(一周:5.4Km 、標高差:± 345m )・・・



・ハイキング出発 ・7/28 7:26

朝起きると雨模様の中を大きなバッグを担いだ登山者がぞくぞくと出発する。

我々は、一旦中止しようと思ったが、朝食後は小雨となり空が明るくなってきた。

前日ロッジのフロントでいただいた『蓮華の森自然歩道ガイド』 を片手に雨具完備での出発となった。



・キャンプ場 ・ 7:44

立派な看板の奥には大きな施設があるが人影はない。



・自然歩道入り口 ・ 7:45

標識は充実しているようだ、



・蓮華の森分岐 ・ 7:56

コースは周回路で、左右何れでもここへ戻れます。

我々は、ガイドブックお奨めの左回り(朝日岳方向)で進んだ。



・アヤメ平・ 8:28

野鳥の森を抜けると湿原へ出る、

よく整備された木道ですが、雨上がりで滑りやすい、

しかし、昨年整備された滑り止めの横木がステンレスの木ねじで止めてあり助かった。

・木道 ・ 8:37

湿原地帯はこのような木道が延々と続く、

・ゴゼンタチバナ ・8:43

白馬岳一帯に生息するようだ、

・赤い花の名は? ・8:45

シモツケソウ(下野草)、バラ科、



・湿原、アヤメ平 ・ 8:53

晴れてきた、残雪の山々眺め爽快なり、



・コーヒーブレイク ・ 9:03

ガスバーナーで湯を沸かす編集者、



・コーヒーブレイク・ 9:17

休憩時間は20分と長め、



・クロクモソウ ・ 9:23

別名 イワブキ



・S さん ・ 9;23

何故か彼の装備は大変な厚着、

私は終日Tシャツ1枚です。



・朝日岳分岐 ・ 9:30

ここを右折すれば、朝日岳方向です。

しばらくすると、男性の登山者が降りてきた、どこから来たかと尋ねると

朝日岳に登りに来たが、今年は残雪が多くアイゼンを持参しなかったので撤退下山中という。

この時期に白馬岳を目指す登山者が、アイゼンなしとは非常識と思えた。



・兵馬ノ平 ・ 9:31

ここが一番大きな湿原で、湿生高山植物の宝庫、

豪雪地帯の水がめで、大地を潤す貴重な湿原なのだ、



・クルマユリ ・ 9:32

背後の白い花は何か?エゾシオガマかも、



・オニシモツケ ・ 9:36

和名は、”鬼下野”



・姫負峠 ・ 9:57

この地点が、周回コースの中間点です。

朝日岳分岐から20分ほどの登りですが、雨上がりの木道が滑りやすく危険であった、

ここを下るのは危険と思えた。左回りを進める訳が判明した。

ここまでの所要時間は、ガイドブックの1時間10分がなんと2時間31分、

これは、新記録かも、

・巨木 ・ 10:05

姫負峠の巨木です。

峠から先はシャクナゲ尾根で、木道はありません。

この巨木の先は、根っこ道です。そこは300年続いた鉱山道?で、根っこがむき出しのまま、

背負われた姫は、ここから先どうなったか?

・シャクナゲ尾根 ・ 10:13

シャクナゲ尾根は、根っこ道です。

雨上がりの根っこ道は何回も経験していますが、最悪でした。



・根っこ街道 ・ 10:31

延々と続く根っこ、

登山装備でも難渋です。



・根っこ街道 ・ 10:38

文字通りの自然歩道で、根っこのジャングルの様、



・カモシカ尾根分岐 ・ 11:01

ここを右折し、カモシカ展望台へ



・カモシカ尾根 ・ 11:15

展望台へは、痩せ尾根を5分程下ります。

そこには、展望台はなく、ご覧の痩せ尾根の先端を展望台と呼ぶ。



・ランチ ・ 11:39

カモシカ展望台手前の木陰でバーナーでお湯を沸かし、コンビニ調達のカップヌードルとどんべいでランチ、



・カモシカ展望台 ・ 12:01

ここが展望台、

急峻な尾根の先端で、左右に展望が開ける、



・痩せ尾根の先 ・ 12:02

急峻な尾根の先端で、左右に展望が開け、雪解け水の沢が流れる。

眼をこらせば、カモシカが見えそうなビューポイントです。

・雪倉・滝見尾根・ 12:24

この尾根は、雪倉岳(東山麓に銀鉱)とその雪解けの滝を垣間見るながら進む、

その先に、標識・鉱山道分岐があり、そこを右折すると雪倉・白馬に至る鉱山道へ、まっすぐ進めば蓮華鉱山道でロッジへ

Westonは、ここを通って最短距離で白馬岳へ登ったと思われた。

現在は、山ガールも白馬岳を目指すルート、積雪期の標識は樹木の高いところに黄色いプレートが張り付けてあった。



・黄金虫? ・ 14:13

下界では見慣れない模様、



・もうすぐゴール ・ 14:14

遊行期を楽しむ自然歩道の長旅もあと10分です。

やれやれと思ったら小雨が降りだした。N さん以外は傘も差さずにゴールへ



・完歩記念 ・ 14:24

雨上がりの木道と根っこ道を5時間58分で一周しました。

転倒はありましたが怪我もなく全員無事が何よりです。

遊行期のハイキングとしてはかなり難渋でありましたが楽しい思い出となりました。

お疲れさま

後は、ロッジの内湯で疲れを癒し夕食が待っています。





《取材メモ》

最近は、傘寿の私にとって、登山は無理となり、今後は、秘湯探検が相応しいと判断しての山旅です。

これまでの 『JA2TKO 山紀行』は、秘湯経由の登山も楽しみました。その体験から 今後は、秘湯探検をメインに行動すればしばらく楽しめないか?という思いです。

山旅は天候次第です。今回は、出動に当たって、天気予報に振り回されましたが、2連泊のお蔭で、ムリなく事故もなく良かったと思いました。

このような山旅は、NさんのVoxy 4WD の提供とS さん運転支援があってこそ実現します。そして、同級生のKさんからの今年も行くぞという激励Mail があっての実現でした。皆さんに感謝です。

@蓮華温泉

Weston が、123 年前に、ここからも白馬岳を目指したことは、白馬山荘の年表で知っていましたが、その後忘れ、蓮華温泉ロッジの写真を見て思いだし一層感激しました。

そして、明治に入るまで雪倉岳に銀鉱があり、そこへの鉱山道があり、蓮華温泉が開発された歴史は初めて知りました。

露天風呂も、ロッジの内湯も十分に楽しみました。3日間で述べ10回以上も源泉かけ流しの入浴は人生初体験です。

おかげで、坐骨神経痛の再発もなく、ありがたいと思っています。

A蓮華の森自然歩道ハイキング

当日は、雨上がりで滑りやすく根っこ道などで難儀しましたが、距離も、標高差も適当であったと思います。

また、滑りやすいので早くは歩けないので、終始ゆっくり、ゆっくり歩いたお蔭で、疲労は少なく助かりました。

豪雪地帯の湿原と尾根道、江戸時代の鉱山道を歩いて思うことは、木道こそあれすべてが自然のままであったと思います。

しかし、豪雪は、尾根道の木の根の土を流し、巨大な根っこをむき出しにします。そうなったのは、鉱山道を開拓したから土がながれ現在があります。

糸魚川市は、蓮華温泉エリアを”蓮華ジオサイト/Renge Geosite” に指定し、立派な掲示板をつくり、地球にやさしく、ECO思考の観光スポットとしてPRします。

このような動きは、全国各地で行なわれていることも知りました。

Bみちくさ

車での山旅は、行き帰りの”みちくさ”も楽しいものです。

今回は、往路は、栂池高原自然園散策を計画しましたがガスが覆い視界不良のため中止し、小谷の道の駅で天ぷらそばを味わいました。

帰路は、越後いといがわ木地師の里と諏訪市に立ち寄り、国重要文化財指定の片倉館の千人風呂と、諏訪大社参拝で、御柱・御神木と雷電為右門の像を拝見、さらに、諏訪湖畔の高島城を見物し有意義な山旅となりました。

おわり


《JA2TKO山川柳》

”白馬を 蓮華と呼ぶよ 越後では ” ・・・秘湯探検隊一同

”蓮華とは ハスの花だと 知らなんだ ” ・・・秘湯探検隊一同

” 腰痛を 治すためだよ 蓮華の湯 ” ・・・ JA2TKO

”じじ4人 山旅するは まずいない ” ・・・ 東京の3人組

”ウエストン 疲れいやした 蓮華の湯” ・・・ JA2TKO

”ウエストン 二連泊だよ 我々も ” ・・・ 秘湯探検隊一同

《関連サイト》

糸魚川ユネスコ世界ジオパーク

日本秘湯を守る会




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