群馬県吾妻郡草津町
草津本白根山(2171m) と 草津の湯
Aug 24.25. 2014

志賀草津道路から草津白根山系の眺め

草津白根山は、湯釜で知られる白根山、本白根山、逢ノ峰などと、新旧火口を含めた一帯を総称していう。

山麓には、日本一の湧出量を誇る名湯、草津温泉と万座温泉がある。

そこは、編集者が元気なうちに、ゆったり歩きたいエリアである。しかし、湯釜で知られる白根山は現在は火山性微振動があり入山禁止、

計画時点では、R292(志賀高原草津道路)も通行禁止、そこで、万座温泉ルートでの白根山と、 白根山をパスして、四阿山(あづまやさん)登山も含めたトリプルプランとした。

当日は、幸い微振動も下がり、Friend の協力のお蔭で、白根火山ロープウエー山頂駅から草津本白根山までのハイキングを楽しんだ。

それでは、同級生と賑やかな山 Friend と共に巡った草津本白根山ハイキングと草津の湯珍道中の夏をお楽しみ下さい。

写真説明、
R292渋峠近くの国道最高地点(2172m)より南方の眺め、

手前の骨立無膚(こつりつむふ・全山焼けただれて、骨だけになり、皮膚の肉がなくなった情景)な山系のピークが白根山、 奥の針葉樹林帯のピークが本白根山(もとしらねさん)、その中間のふくらみが逢ノ峰、

両山系の間を、R292・志賀草津道路が通る。 8月24日 8:30 撮影、



コース案内:
@草津本白根山ハイキングマップ、出典:山と渓谷社・群馬県の山
A本白根山周辺ガイドマップ
B本白根山探勝歩道


・・・ 草津本白根山ハイキング(100名山) ・・・



・日本国道最高地点 ・8:30

そこは、志賀草津道路の渋峠から数百メートル群馬側の白根山ビューポイントである。

一行は、白根山ハイキングに先駆けて、この地点から旭光を浴びる白根山系をじっくり眺めた。

天候は、ハイキング日和、Nさんときめきの山岳ドライブで、白根火山ロープウエイ駅を目指した。



・白根火山ロープウエイ駅・9:20
駅の右手に,スキー客用のPとレストハウスがある。

草津観光協会は、 冬ともなれば、多くのスキーヤーで賑わうロープウェイの駅前にある記念碑は、遠く日本武尊の伝説を伝えるために、

白根山の山頂で日本武尊が亡き弟橘媛を偲んで流した涙がシャクナゲになったという神話にちなんで建てられたと、 HPで紹介する。

”山媛呼(やまびこ)の碑”

 吾妻はや
 白根の峯に
 けむりたつ
 よひて声あり
 古ゆ
 たきついてゆの
 おもひに咲くや
 石楠花
       一穂

  ・吉田一穂(いっすい)
   1898〜1973、北海道生まれ詩人



・山頂駅 ・9:35

駅舎には、大きなレストランがある。お昼はここで食事をしようと、コンビニ弁当なしで出かける。

何故、そうなったか? 前宿の万座温泉は、弁当はつくらない、コンビニもない、チケット売り場のレディーに相談すると 山頂駅のレストランがいいという。

深田久弥が予言した通り立派な観光地なのだ、

心配はいらない。



・入山 ・ 9:43

山頂駅前を進むと、リフトが待ち構える。観光客は、これで上がり、丘の上で白根山をながめる。

我々は、右側の針葉樹林帯の散策道から、本白根山を目指した。

リフトの係員に、登山届を持参したが受取るか、と尋ねたら、受け取らないし、捜索もしないという。

ここは、危険度、体力ともにランク1、丘を越えて、火口壁を巡るハイキングコースの入り口です。

ハイキングコース ・10:27 Nさん撮影

しばらくは、階段と木道が続く、

旧火口の周辺と思われるが、シラビソ、落葉樹などの立派な林、



・コマクサ・10:21

樹林帯を抜け、旧火口壁に出ると展望が開ける。

そこは、コマクサの群生地だ、

行き交う地元の方は、7月が最盛期でもう終わったというが、まだまだご咲き誇る。

そうなったのは、地元のボランティア(小学生高学年)がせっせと植えたという。



・コマクサ・10:21

旧火口壁の砂礫地帯に、このように分布する。

何故、コマクサというか?・・・花が、馬(駒)の顔に似ているため、

何故、砂礫帯で生息できるか?・・・根が非常に長いため、



・旧火口(死火山)・10:27

ローマ皇帝の円形劇場(コロッセオ)を連想する火口である。

大きな溶岩も残るが、ハイマツやコケモモも繁茂する。

そのヘリを巡りながら本白根山を目指す。



・火口壁 ・10:35

一筋の、長い火口壁ルートは、コマクサ街道でもある。



・本白根山へ ・10:52

このような、一高一低の周回散策路が続く、



・万座温泉分岐 ・10:59

R292が通行止めの場合は、万座温泉から約 2Hrで、この地点を目指す計画であった。

万座と草津の位置関係が良く理解できた。



・本白根山 2171m ・10:59

白根山は、絶頂を極めて感激するという山ではない。

この標識の前のピークが、本白根山で、地図上の最高地点、

現在は、立ち入り禁止? そこへのルートの標識も見当たらない。

したがって、ここから眺め、百名山の一座を征服したことにしよう。



・最高地点記念 ・11:10

地点の正式名称は、本白根山遊歩道・最高地点 2,150m

ハイカーは、ここを確認し引き返す。

お昼が迫るが、あわてることはない、我々は、バッグの中の行動食(スナック)を分け合い、お昼のおやつとした。



・コマクサ街道 ・11:20

を進み、溶岩を眺め、本白根山展望所へ、



・本白根山展望所 ・11:43

標高は、2076m、

ここは、旧火口ヘリの最高地点で、白根山全域を眺める。

遥かに、逢ノ峰、白根の骨立無膚、

ここで、太田市から来たという、シニアーのカップルに、Friend S が、白根山の謂れを聴いた。
即座に、しらねい という、反応の良さ、



・標識 ・11;51

周回路西半分の樹林地帯に入る。



・鏡池 ・12:00

峠から湖面を覗くと、白いもんもんが、

その訳を記す標識です。

ここから、湖面まで降りて、謎を確認する。



・湖底のもんもん ・12:14

湖底を覗き、周辺を眺め、その謎が解けた、

ここも、旧火口の一つと思う。

周辺に積もった膨大な雪解け水は、地下水となり湖底から吹き上げる。

その湧水の数だけもんもんが出来るのだ、



・ダケカンバ ・13:36

白根山にも、

このような落葉樹林帯が、

ハイカーにやさしい木道が、

黄葉の季節の再来を誘う。



・草津温泉アップ ・12:42

右下に、湯けむりを望む、アップし、草津の温泉街を確認、



・標識 ・12:55

周回路の後半は、右に膨らむ、急な下りの落葉樹林帯です。

あと、1Km でGoal の山頂駅、



・ダアケカンバ受難 ・13:05

この摩耗は、何人に踏まれたか?

彼女は、何人をサポートしたか?

私は、彼女を踏まずに跨いだ、



・Goal の山頂駅へ ・13:16

途中、大雨で崩れ修復中の振り子沢を渡り、

ゲレンデを横切って山頂駅へ、



・山頂駅展望コーナー・13:29

到着すると、駅舎の裏手の展望が素晴らしいという看板、、

そこには、ベンチもあり先客が弁当を食べる、

草津温泉街を眺める。草津の湯が楽しみだ、

・散策道一周の所要時間は、2時間40分、



現在は、湯釜は入山禁止です、知らずに登る観光客も多い。
草津市は、駅舎前からマイクロバスで、湯けむりが望める弓池近くまでの特別観光を無料で提供する。

運転手が、名物ガイドで、白根山の裏話を見事に語る。
全員爆笑でハイキング終了、

お疲れ様、



・山頂レストラン、昼食 ・14:14

この湯釜は、レストランの観光用エンドレスビデオの一コマ、

好物の、醤油ラーメンが五臓六腑にしみわたる。

レストランのご婦人に、人生最高のおいしいラーメンの謝辞を述べ、山頂駅を後にした。







・・・ 草 津 の 湯 ・・・



・ペンションみとも ・8/24

草津温泉は、町中に共同浴場が沢山ある、そこで、こじんまりしたペンション泊となった。

もちろん、ペンションにも草津の湯があふれる。

草津は、共同浴場を、 ぐるぐる廻ってからの夕食となった。

夕食のメインは、旦那が揚げる串カツを奥さんがその都度運ぶ、究極の揚げたてと生ビールで乾杯、

《草津温泉珍道中》

この機会に、草津の湯めぐりを楽しむことになった。
白根山下山後の夕刻と、翌朝のあさの散歩で湯畑、共同浴場、湯もみ会館、西ノ河原などを巡った、

事前の準備不足もあり、聞くこと、見ること、珍事事件のか数々、



・白旗の湯 ・8/24

温泉街には、このような共同浴場が19あるという。

この湯は、湯畑の前にある。

何も知らない一行は、ドアを開け。出てきたご婦人に外湯は何処かと尋ねる。 まんじゅう屋の手前の路地を右に下がるとあるという。

この出会いが、温泉まんじゅう事件のはじまり、



・湯もみ会館 ・8/24 Nさん提供

白旗の湯の右隣に行列が、その先は『湯もみ会館』

後尾に並び、入館し、湯もみを体験、チケットは500円、100円割引券を持っていたが誰も気付かず。

気付かないのは、ボケの始まりか、



・湯畑通り ・8/25 8:00

湯畑通りは、朝から観光客で賑わう。

露店では、”湯の花”を売り、人力車が客を待つ、



・湯畑記念 ・8/25 9:04

湯量は減ったというが、相当なものだ、

流れ出る湯は、ポンプで汲み上げ再利用される?

すぐそばにポンプ室、



・共同浴場・凪の湯 ・ Nさん撮影

温泉まんじゅう屋の路地を曲った奥の”凪の湯(なぎさのゆ)”

温泉まんじゅう屋は沢山あるのだ、そこを探せば、朝夕、まんじゅうの試食を迫られる。 つい、味くらべ、また食べる。

やっと、たどり着く、定員は4人、その日の初湯か、熱くて入れない、さんざんさまして、やっと浸かったが、超酸性で顔は洗えない、

聞くと、この湯は、江戸時代は、花柳界の女が好んで入ったという名湯、

この後は、まんじゅう屋を避けての散策となった。



・西の河原公園

この公園の奥に、有料の大きな露天風呂がある。

朝の散歩にちょうど良い。



・足湯

河原は、すべて温泉か、結構の熱さ、

朝風呂の後は、朝の足湯、片岡鶴太郎美術館でケーキを食べ、モーニングコーヒーを飲み、草津温泉を後にした。

帰路は、軽井沢、浅間山麓の鬼押し出し公園経由で、PM7:00帰豊、

Friend S さん、Nさん、運転ご苦労様でした。ありだとう、



《取材メモ》

中高年ハイカーにとって、草津白根山は、温泉とセットでのんびり歩きたい山域である。

しかし、そこへのアクセスは、活火山地帯でもあり、日々の火山情報により、志賀草津道路(R292)は予告なしに通行止めとなる。

また、万座ハイウエイも豪雨時はしばしば通行止めになるという。

この度、実際に現地を訪ね歩き、感じたことをコメントします。

@志賀草津道路

草津白根山へのアクセスは、R292を利用する。実際に、この山旅を計画時の8月5日から7日は、警戒レベル3で、R292は終日通行止めであった。 その後、レベル2となり、9:00〜17:00に限り通行可、夜間通行止、湯釜入山禁止は継続となる。

気象庁は、湯釜の火山性微振動を計測し、レベルに応じ、県市町村に下記の噴火警戒レベルによる規制を求めている。

詳細は、下記を参照、

『草津白根山の噴火警戒レベル/気象庁』

・レベル5 避難
・レベル4 避難
・レベル3 入山規制・・・・R292終日通行止め
・レベル2 火口周辺規制、1Km・・R292夜間通行止め
・レベル1 平常

『草津白根山の噴火警戒レベルに関する情報/長野県』

A万座ハイウエイ・浅間白根火山ルート

この道路は、志賀草津道路のような通行止めはないものと判断していた。

ところが、出発前日に万座高原ホテルからの電話で、豪雨による災害で通行止めになったとの知らせが入る。

実際、現地に入ると、万座から先は通行止めであった。

ホテルは、お客のルートにより宿泊に支障が出るので心配した。

B草津温泉

久しぶりの訪問であったが、以前に増して賑やかであり、温泉街の駐車場も立体式が整備され、便利になっていた。

その後、スマホの時代となり、温泉情報も充実したのだが、我々の検索は、事前の調査でなく、事後確認がほとんどで、 しばし、尋ね尋ねの観光となった、

草津町の温泉産業への取り組みは充実している模様で、これからも繁栄が継続されると思えた。

しかし、湯の成分は超酸性で、湯船で目に湯が入れば、目が痛くなり、心配です。

湯の花は、石灰で中和し、入浴剤といして露店で売っていた。その後の改善が見られたが、未中和品は、薬用での販売であった。

また、市内の河川には、温泉の湯が流れる。その中和処理で多くの予算を使用するという。

これは、生物保護のためにも必要で、永遠の課題と思う。

C草津白根山の謂れ

この度、草津白根を歩いてみると、聳える峰もなく、山麓の樹木の根の部分が、火山性のガスの影響と思える枯渇による白色化が目立っていた。 この現象が、白い根の木がある山・白根の謂れかもしれないと、かってに想像した。

しかし、深田久弥の日本百名山には、白根と名の付く山は、南アルプスの白根三山(北岳、間ノ岳、農鳥岳)の他に、日光白根と草津白根がある。 白根が、白峰あるいは白嶺から来たことは言うまでもない、と断言する。

草津白根に、輝くような、聳えるような、白い峰があれば納得しますが、皆さんどう思いますか?


《JA2TKO山川柳》

”白根山 謂れを聞けば しらねいと ” ・・・ 山 Friend

”女湯を 知らずに開けて 路尋ね ” ・・・ 山 Friend

”割引を もらって出かけ 使用せず ” ・・・ 参加者全員

《関連サイト》

群馬県草津観光協会




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