滋賀県土山町/永源寺町・鈴鹿山脈
雨乞岳 1238m
Jun 3. 2003

←雨乞岳からの展望
雨乞岳は、鈴鹿山系の最高峰の御池岳に次ぐ標高で鈴鹿の盟主と言われています。 そこは、深山で展望が素晴らしく、多くの登山者に親しまれています。

やまびこ会にとっては2001.10.23以来の2回目です。そこで、登山路を一般的な武平峠ルートから滋賀県側の稲ヶ谷コースとしました。

今回の山行は快晴、新会員の女性1名と膝痛リハビリ明けのじっちゃんを含めた総勢20名です。そのコースは、健脚向きの難コースとも知らずに、鈴鹿スカイラインの”ろくめい橋”西詰の稲ヶ谷登山口を分け入りました。

写真は、左から、鎌ヶ岳・雲母岳・御在所岳・国見岳・釈迦岳そして左手前のコブが東雨乞岳です。



山歩きマップ & コースタイム

・稲ヶ谷登山口 8:25出発
・谷の上(休憩) 9:13
・高巻きコブ 9:43
・道なき道の沢越え(休憩)11:25
・雨乞へ30分道標 11:49
・雨乞岳山頂 12:30着(昼食)・13:10発
・登山口へ45分道標 14:35
・稲ヶ谷登山口 16:10着

《所要時間》
・上り: 4:05(高巻きふたコブラクダ経由)
・下り: 3:00(沢上斜面経由)
・総所要時間: 7:45


←登山口

この登山口は、鈴鹿スカイラインの武平峠トンネルをくぐり、かなり滋賀県側へ下ります。 ”ろくめいばし”という小さな橋の右側に登山口の標識です。ご覧のように、雨乞へ2時間とあります。それなら、天気も良いし、3時間なら全員で登頂出きると思われました。

往路は気がつきませんでしたが、すぐ横に、別の標識があり、『雨乞岳まで2時間30分、雨乞大滝の高巻きに注意、健脚向き』とありました。


苦難の始まり→

入山するとすぐに沢に突入です。最初の沢越えで1名が滑落し、ももまで水没しました。 後続のメンバーに不安がよぎります。


←立ち往生
稲ヶ谷沢は、雪解けの涌き水と3日前の台風の雨の影響でかなりの水かさです。 赤テープは、沢筋にも有りますが、たびたび前進を阻まれました。

やむなく両岸の急斜面をトラバースします。 そこにも赤テープはありりますが、足跡はありません。足下は、腐葉土でもろく急斜面でずり落ちそうでした。


コブから雨乞岳を仰ぐ→

苦渋の沢越えのためか一行は何となく高巻きコブ越えの見晴らしの良いというコースを進みました。そのコブへの登山路も名ばかりで、足下不安定の急登が続きました。やっとのことで、見晴らしの良いという岩状の痩せ尾根のコブに到着しました。

登りきると、今度はずり落ちるような急降下が続き、また沢筋まで降りてから藪こぎで雨乞峠を目指しました。


←稲ヶ谷
この景色は、東雨乞と雨乞の中間の峠からの眺めです。苦難の登山が嘘のような素晴らしい眺めです。

登山口から暫く沢伝いに進みます。その両岸は極めて急峻です。そして、この眺めの杉の人工林と自然林の境界を巻きながらコブを経由して、手前の笹薮をくぐって峠に出ました。


雨乞岳→

皆さんお馴染みの峠からの雨乞岳の眺めです。


←全員登頂

4時間05分のスリルを味わった後の記念写真です。皆さん晴れ晴れでした。バックに鎌ヶ岳を納めるには三脚の背丈が不足です。やむなく20-1名ではいチーズ。



野洲川の源流?→

この流れは、近江平野を潤す野洲川を経て琵琶湖へ注ぐと思われます。



←沢飛び

片道10数回とも思える沢越えの訓練の成果です。見事な呼吸とジャンプで深みをクリアーするやまびこレディー。しかし、着地は?


水木谷の滝→

終盤の滝壷越えです。慎重に、無事に渡れますように。ここは、両者の呼吸次第です。しかし、心配ご無用のようです。


←水木谷の滝

気合いの入った見事なジャンプです。しかし、滝壷を眺める余裕はありませんでした。



←ギンリョウソウとフタリシズカ→

難儀な登山に潤いを与えてくれた山野草です。稲ヶ谷の思い出に載せました。


稲ヶ谷コースを体験して
はじめに、今回の登山の被害状況を報告します。
・左手首捻挫 1名
・腰付近まで水没 2名
・膝近くまで水没 多数
・ヒル被害 数名
・ズボン破れ 1名
・手小指脱臼

この被害状況からお分かりのように、過去3年間でもっとも厳しい山歩きの一つと思われます。 しかし、好天気とやまびこ会のチームワークでなんとか乗り切ることが出来ました。

なを、当初の予定の5月27日の雨上がりに。もし決行していから、この程度の被害では済まなかったと思います。したがって、今回の山行を安全面でしっかり反省して、今後の活動計画を立てる必要を痛感しました。



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