福井県大野市両白山地山脈
荒島岳(100名山)1523.5m
Jul 1. 2003

←荒島岳からの展望
写真は、山頂の展望表示板(陶器製)で、山頂から北北東方向の眺めです。

荒島岳は、100名山の著者深田久弥さんのふるさとにある自慢の山です。大野盆地を潤すブナの原生林と、 山頂からの白山の眺めがお勧めのようです。

今回の山行は曇りのち雨、総勢15名です。そのコースは4Kmで、標高差1200m・平均斜度18° の健脚向きです。

やまびこ会にとっては、ややハードで、その上雨の予想です。 そこを全員で登りきるために、事前の準備もしっかり、気を引き締めての入山でした。


←荒島岳山姿
中央が大野盆地から見る荒島岳、稜線右側のこぶが前荒島(シャクナゲ平?)です。当日はガスの中にお隠れでした。



山歩きマップ & コースタイム
《上り》
・勝原スキー場P、登山口 8:10出発(海抜328m)
・リフト終点 8:52着(650m)
・シャクナゲ平10:37着(1204m)
・山頂(1523.5m)12:05着 (昼食)
《下り》
・山頂 12:55発
・シャクナゲ平 13:50着
・リフト終点 12:20着
・勝原スキー場P、登山口 16:05着

《所要時間》
・上り: 3:55 ・昼食: 0:50 ・下り: 3:10
・総所要時間: 7:55


←登山口・勝原(かどはら)スキー場駐車場

勝原の登山口は、九頭竜湖(仏原ダム)の西2Kmで、豊田から3時間の道程です。

スキー場のリフト沿いに18°の上りを約1Km登り詰めると第2リフトの終点です。 そこから、ブナの原生林の登りが2Kmほど続き、シャクナゲ平に到着します。 さらに、笹藪とダテカンバ帯の急登が1Km続きやっと山頂に至ります。

曇りの荒島岳登山です。豊かなブナ林を眺め、対話しながら楽しむことにしました。


ブナ林の始まり→

潅木帯を抜けると、このようなブナの老木が目に留まります。


←ブナ林
地表はすべてブナの根で覆われてています。登路はその上を歩くしか方法がありません。 ブナさんごめんなさいね。

ブナのコブ→
コブの出来る原因は、登山者が踏みつけるストレスか、 それとも熊が引っかいた古傷を癒すためかどうかは分かりませんが、何れにしても風雪に耐えた立派な勲章です。


ブナの根→

赤土の地表をブナの根が覆い尽くしています。登山者が歩かなければその上を落ち葉がやさしく覆い、 雨水をたっぷり溜め込みます。
登山者は森林破壊者ということになりますね。



←全員登頂

荒島岳の登頂所要タイムは3時間55分です。ガイドブックの標準タイムが3時間5分で、50分オーバーしました。 しかし、予想遅れ時間は、1時間以上と思われましたのでよく頑張ったと思います。 それは、先々月登った恵那山の体験の成果と思われました。


山頂風景→

山頂での昼食が終わるのを待って雨が降り出しました。早速雨具の準備です。
山頂には、九頭竜ダム電源開発公社の電波反射板が設置されています。しかし、よく見ると、 カバーが掛けられていました。三河山間部の反射板にはカバーはありません。 豪雪地帯特有の雪害対策か、それとも単なるお休み中のカバーか?



←雨中のブナ林

下山は雨の中です。ブナの原生林にガスが立ち込め幻想的です。この雨があってのブナの原生林です。



笹ユリ(ホワイト)→

きびしい登山を癒した笹ユリです。登山道の笹と潅木の間にはホワイトです。


←笹ユリ(ピンク)

ピンクは第2リフト終点のゲレンデの日当たりのよい場所にちらほらと咲いていました。

このユリを眺めて、足元の悪いゲレンデを下り、マイクロバスの待つ駐車場へ16:05に全員下山です。 後は、九頭竜温泉”平成の湯”で疲れを癒し、関のサービスエリアで夕食となりました。
食事中のTVのニュースは、名古屋の豪雨の状況を伝えていました。


荒島岳勝原コースを体験して

雨季の登山です。ある程度の雨は覚悟していましたが、午前中は晴れの天気予報に一途の希望を持って出かけました。

現実は、終日の曇りと雨で、周辺の山並みを拝見することはかないませんでした。
しかし、雨中登山を多くのメンバーが体験できました。 この事は、今月末の、屋久島の宮之浦岳登山のよい予行演習になったと思われます。 そして、大日岳を上回るようなブナの原生林を堪能できました。登山道は赤土とブナの根でスベリ易く 転倒による怪我が心配されましたが、全員無事に下山できました。よい体験が出来てよかったと思います。



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