鹿児島県熊毛郡
屋久島一周スペシャルツアー
Jul 30. 2003

←大川の滝(名爆百選)

屋久島登山の記念に島内を一周し、世界自然遺産・屋久島の理解を深めることにしました。

昨日の宮之浦登山の疲れもありましたが、全員元気で9:00に出発です。 志戸子のガジュマル園を振り出しに、左廻りで、観光地を巡りました。

当日は、真夏の太陽の下、南国屋久島をつぶさに見学し、有意義な一日となりました。


観光ルート

《午前》
@民宿『杉の里』春牧地区 9:00発
A志戸子のガジュマル園
Bいなか浜(永田浜ウミガメ産卵地)
C屋久島灯台(永田岬)
D西部林道
E大川の滝
F屋久島青少年旅行村(昼食)

《午後》
G湯泊温泉
H平内海中温泉
I千尋の滝
Jトローキの滝
K屋久島自然館&屋久島世界遺産センター
L民宿『杉の里』春牧地区 17:20着


←志戸子のガジュマル園

手始めに、一周20分ほどのガジュマル園を訪問しました。
ガジュマルは、亜熱帯産クワ科植物で、島のあちこちに自生していました。 気根が枝からたれて、やがて地面に到着しどんどん歩き出す不思議な木です。 その状況は、ハワイや沖縄でみられるものと同じです。屋久島の海岸線は南国でした。


←永田いなか浜
ここは、砂浜の美しい海岸で、ウミガメの産卵地で有名。 毎年5〜7月に上陸し、夜産卵するそうです。

屋久島灯台/永田岬
灯台から観音崎方向の眺めです。 屋久島灯台は、1897年から100年間にわたって活躍。


←大川の滝→
西部林道の照葉樹林の原生林地帯を南下すると大川の滝です。 奥山に降った雨は屋久杉を育み、険しい沢と大川を下り、この断崖で砕けます。
その水しぶきは、圧巻です。お陰でここだけは清涼地。

←烏帽子岳1614m
栗生の海岸から、屋久島の槍ヶ岳(烏帽子岳)が確認できました。 ここを征服するには、湯泊歩道入口から往復6時間はかかります。

大感激の湯泊温泉→
烏帽子岳は、この温泉でもう一泊すればOKです。ただし、24時間OKのこの湯船があるだけです。 湯船で見る満天の星空がお勧めです、と地元の女性がいいます。 この湯の裏山には巨大なガジュマルが茂っていました。そこに 島の大先輩がモウソウ竹のパイプを埋め込みこの海岸まで湯を引いたようです。硫黄泉のため腐らないので、 今でもそのパイプは健在だそうです(民宿主人談)。



←平内海中温泉
最初は、この海中温泉に入る予定でした。しかし、湯泊温泉に入ったので、 横浜から来たギャル2人と足湯の混浴です。 お湯はつるつるで熱く素敵な温泉でした。入浴時間帯は、干潮の前後2時間。

千尋の滝→
滝の左側の巨大な花崗岩の一枚岩が圧巻です。そのサイズは、400mX200mもあります。 滝の落差は60m。


←トローキの滝
この滝は、千尋の滝の下流で、鯛之川の河口です。

背景には険しいモッチョム岳が聳え、その大岸壁にも滴る水が光っていました。
このように、海に直接落ちる滝は珍しいそうです。


屋久杉土埋木→
観光の締めくくりは、屋久島自然館と世界遺産センターです。
写真の土埋木は、昭和48年に標高1100m付近で発見されました。 周辺の様子から約400年前の樹齢2000年の頃に倒れたもののようです。
屋久杉は樹脂分を非常に多く含んでいるため、長い年月を経ても腐らずにコケや土に埋もって残っていました。
上部がすりばちのようになっているのは、この木が倒れたころに平木 (家の屋根を葺く板)やクエ(桶を作る板)に使ったものといわれています。

この土埋木は、昭和60年に開催された『科学博覧会ーEXPO 85 』 (つくば博)の政府資料館に出品展示され、貴重な資料として高い評価をうけた。



《屋久島観光の成果》

@屋久杉はなぜ巨大で緻密か?
長命な屋久杉、スギは5百年余りが平均的な寿命といわれていますが、 屋久杉では2千年を超える巨木が見られます。
新鮮な水に恵まれながら、栄養が乏しい花崗岩の山地に育つ屋久杉はたいへん成長が遅いスギです。
屋久杉自然館展示の屋久杉は1660年で直径が180cm余りですが、 500年のときの直径が40cm程しかありません。
日光の杉並木の例では、360年程で150cmを越えるものが多数あります。
ゆっくり育つ屋久杉は材質が緻密で樹脂分が多く、腐りにくいので長生きすると考えられています。 成長は遅いのですが、スギとしては長命なので巨木になるといえるようです。

A人間も、栄養過多でなく、縄文杉の横の湧き水を沢山飲めば長生きするかも知れませんね。
私は、その水をペットボトル一本分お土産に持ってきました。これで少しは長生き出来るかも。

B屋久杉の活用/江戸時代(薩摩藩は、平木を年貢として取立て、幕府へ納めた)

《平木との換算例》
米一石・・・・・・140束
小麦一石・・・・・52束
大麦一石・・・・・26束
大豆一石・・・・100束
小豆一石・・・・150束
蜜柑千個・・・・・11束
真綿百目・・・・・30束
※平木1束は100枚
一石=約180リットル
一目=3.75グラム

C屋久島の大自然と人々の暖かい心に接し、感激しました。 屋久島は、世界遺産だけでなく、 島全体をこのまま子孫に残さなければならないと思いました。



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