十勝連峰・望岳台より
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十勝連峰は、大雪国立公園南部に連なる火山である。その最高峰の十勝岳は噴煙を上げる活火山である。
一行は、前日の旭岳・黒岳縦走後の白雲荘Meetingで十勝岳について話しあった。結果は、1名が美瑛観光を希望、
他は、この機会に是非登りたいということで予定通り、旭岳温泉の白雲荘をレンタカー2台(カーナビ最短距離設定)に
分乗し6:00少し前に出発、7:25登山口の望岳台を後に十勝岳を目指した。
行程は、標高差1200m、往復10Kmの火山礫地で森林限界も低く太陽を遮るものは無い。
隊員は、健脚のやまびこ有志7名・ゲスト1名と最高齢の添乗員の計8名である。
添乗員の登山計画書は、望岳台7:30発、16:00着の往復ゆったり登山である。一行の健闘状況を報告します。
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写真説明、
望岳台レストハウス前Pより十勝連峰を望む、十勝岳は右から3つ目のピーク・・・ 6月27日 14:15撮影
マップ&タイム(マップはクリックで拡大)
@望岳台レストハウス前P 7:25発/海抜約900m
A雲の平分岐 8:25着
B十勝岳避難小屋 8:38着
C昭和噴火口 9:50着
D十勝岳山頂 10:53着・昼食・11:50発/海抜2077m
E昭和噴火口 12:35着
F十勝岳避難小屋 13:30着
G雲の平分岐 13:43着
G望岳台レストハウス前P 14:05着/海抜約900m
・総所要時間6時間40分(目標8時間30分)
・歩行距離 10Km
←望岳台レストハウス前P(登山口)
望岳台を目指す一行の車窓から朝日に浮かぶ十勝連峰が迫る。素晴らしい光景であった。
しかし、準備中に一瞬にしてその雄姿は消えた。でも、天気予報は晴れ、心配はなかった。
望岳台ケルン→
十勝岳登山隊8名です。撮影はレンタカー担当・美瑛観光のM氏、ここまで見送ってもらう。
ここは、元スキー場?今は、望岳台公園。
←入山
広大でゆるやかな溶岩台地を颯爽と進みます。数百m進んだところで添乗員は登山届の出し忘れに気つく、
昨日は、隊長に託したが、今日は自分のポケットに入れ提出するつもりであった。
我々は、二つのことが出来ないのだ。M氏に連絡し、助けてもらった。
雲の平分岐→
登山届の提出トラブルがあったが、予定通り60分で到着した。目指す峰は白煙の奥で、まだ姿を見せない。
←避難小屋
現在あるのは、ローカルの無線中継局で、避難小屋は18年9月に解体されていた。
ここまでは、ゆるやかな登りですが、ここから先は左に折れて足場の悪い急登となり、尾根上まで続く。
噴煙迫る→
急登を進むに連れ火山の実感が迫る。
←中盤の登り
雲の平分岐から1時間45分の尾根道登り、遥かに望岳台が霞む。
尾根上の標識・9:50着→
昭和噴火口の尾根に出ました。眼前に美瑛岳が迫る。予定より25分早い、
←表大雪遠望
右のスロープは美瑛富士、その遥かにトムラウシ山?
トムラウシ山?アップ→
雄大なり、これまでの疲れが吹っ飛ぶ、
←昭和噴火口の尾根
左の火口が、
1962(昭和37)年6月29〜30日の大噴火で出来た。
気象庁は、
『29日22時40分頃、中央火口丘南側湯沼付近から噴火。噴石により大正火口縁の硫黄鉱山事務所を破壊。死者4名、行方不明者1名、負傷者11名。
30日2時45分頃から噴火。火山弾、火山灰を多量に噴出。噴煙高度12000m。降灰は知床、南千島方面。爆発音は190kmに達する。火柱を伴う噴火は7月5日頃まで続いた。噴出物量7.1×107m3。この噴火によりグラウンド火口南西壁沿いに62-0、62-1、62-2、62-3火口を形成し、62-2火口のまわりにスコリア丘を形成』と伝える。
十勝岳迫る→
噴火口の縁は、なだらかな礫砂地です。ここから、1時間20分の予定で山頂を目指しました。
←大先輩登場
お元気な先輩が颯爽と下山してきました。挨拶すると、すかさず、85歳という。何処から見えましたかと聞くと、
帯広から1人で来た、7月20日の富士登山ツアーに参加するいう。私は脱帽です。大先輩を激励し、記念の写真を撮った。
その時、登山隊は100m以上先を進んでいた。
1821m台地→
ここから、十勝岳の肩への急登が始まる、最大の難所だ。しかし、85歳の大先輩も登ったのだ、
←活火山
地球の息吹を実感します。
美瑛岳→
山頂間近の展望です。美瑛岳の左肩越しに美瑛富士、その遥かにトムラウシ山、
←添乗員記念写真
倒れる前に記念写真を撮りました。
登頂記念・10:35着→
隊長のリーダーシップで予定より42分早く到着しました。
早速昼食です。皆さんは、おにぎり2個とオカヅをペロリ、添乗員はおにぎり1個でその先が進みません。
添乗員のストレス・睡眠不足・登山中の休憩なし・間食なしの水分のみで、胃が疲れたようだ、
隊員からみかんの差し入れがあり息を吹き返す。
←登頂記念
富良野岳をバックにすこぶる元気です。
登頂記念→
後方(南)の、境岳方面です。その雲の奥が日高山脈ですよ。
←登頂記念
山頂風景です。石碑には”光顔嶺々”と刻まれていました。
美瑛岳→
山頂から美瑛岳へは、手前の平ヶ岳、中程の鋸岳を経て片道2時間30分の道程です。
従って、美瑛岳を周遊して望岳台へ戻るのはこの時間がプラスされる。
←下山
11:50発、高速下山が始まりました。
十勝岳北斜面
残雪と急な火山礫崩壊地、下山時はコースを外しやすい、慎重に進む。
←落石
この雪渓を長靴で高速下山の男性がいた。ゲストのCさんは、雪渓の落石は音もなく襲うので怖いという。
高速下山は続く→
このペースで行くと、予定より2時間早く望岳台へ、
何時ものやまびこでは想像できないことだ、
←雲の平分岐
あまり早いので、添乗員は、美瑛観光のMさんへ携帯で時々早くなる旨を通報、
携帯中は、隊長に停止するように申し出る。30sec間の貴重な休息となった。
望岳台P・14:05着→
添乗員の登山計画より約2時間早い下山であった。
かって、健脚隊と穂高へ出かけた時の高速下山を思い出した。
下山後は、添乗員の指揮下に入るので、暫らく休憩を宣言し、レストハウスのベンチに腰掛けて
十勝連峰を眺めながらゆっくりゆっくりアイスクリームを食べた。添乗員としはじめての休息であった。
お陰で、旭岳温泉の白雲荘へ2時間も早く帰還し、全員ゆったりした一時を過すことが出来た。
夕食では、白雲荘の支配人からビール3本の差し入れがあり、副隊長のCさんの音頭で、大雪登山の大成功を祝い全員で乾杯した。
皆さん、お疲れさんでした。・・・写真中央の白煙の奥に十勝岳があります。この時は雲の中でした・・・
《十勝岳登山届について》
望岳台での登山届提出について、我々の体験を報告します。
十勝岳の登山口は、望岳台レストハウスPです。我々は、当然レストハウス近くに登山届ポストがあり、そこに投函すると思っていました。ところが、実際は、レストハウスの売店の中にあり、8:30の開店までは投函できなかった。
残留のMさんが、開店を待ち、店の方に尋ねると、早朝は、最寄の警察に届けてくださいという。従って、早朝入山の方は事前の対応が必要と思いました。
Sightseeing after a climbing mountain. Jun 28. 2007
天人峡観光
←羽衣の滝
天人峡温泉街から原生林を眺めながら渓谷沿いに暫らく進むと冷え冷えとしてきました。
滝の近くの
掲示板をご覧ください。
北海道最大、日本の100名瀑で、落差は、270mです。この滝は、大雪山西麓(姿見辺り)の雪解け水で、忠別川に注ぎ、
上川盆地(旭川)を経て、石狩川の本流となり、日本海へ注ぐ、”大雪山は北海道の母”を再認識しました。(写真:S隊長撮影)
敷島の滝→
羽衣の滝から登山道を約1Km遡った滝で水量を誇る。ここへのアクセスは登山靴が望ましい。(写真:K隊員撮影)
美瑛観光
四季彩の里
北海道はレンタカーが快適です。美瑛のパッチワークエリアに詳しいMさんの先導で、天人峡から
美瑛の”千代田の丘見晴台”経由で”四季彩の里”でくつろぎます。
皆さんがかじっているのはもぎ立てのトマト、添乗員もいただきました、馳走さま。
雰囲気は、関連Site
『美瑛の丘フォトギャラリー』をご覧ください。
ここから旭川空港へは17Kmです。早めにレンタカー返し、空港でゆっくり昼食です。お土産を沢山買って、満席のANA326便で夕刻セントレアへ、ご参加の皆さんお疲れさんでした。 お元気で、
《十勝岳アクセス情報》
登山の前に、下記Siteのテェックをお勧めします。
@望岳台レストハウス・アクセスマップ
A望岳台レストハウス
B活火山・十勝岳とともに
C気象庁・十勝岳火山情報
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