静岡県富士宮市
マーチャンの富士登山・3776m・富士宮口コース
Aug 8/9. 2011

富士登山風景(九合目)

富士山に、登りたいというS13生まれの同級生がいる。彼の名は、マーチャンといい、10年前からの願いです。 後期高齢者入りも迫り、今年が最後のチャンスという。

彼は、半世紀前は陸上400m走のチャンピオンですが昔の話、登山の経験はありません。 マーチャンの富士登山計画は、富士登山7回目のガイド役の友ちゃんと、富士登山2回目の取材記者JA2TKOのサポートです。

富士登山のきっかけは、数年前のクラス会で、友ちゃんが、年一回登っているという。そして、私が賛同し、今回マーチャンを誘い ストレステストを行うこととなった。

結果は、 幾多の困難を、3人のチームワークで克服し、剣ヶ峰を征服、無事に下山できた。

編集の主たる目的は、同級生のNet仲間35名に報告し、更なるストレステスト参加者を発掘するためです。

それでは、休み休み風景の”マーチャンの富士登山”をお楽しみ下さい。

写真説明、
九合目付近(標高3410m)の登山風景、ちびっこ登山者を見つめるマーチャンと友ちゃん、
眼下に愛鷹の山塊、9日6:59撮影


@コース案内: コースマップ コース断面図
A登山口:富士宮口新五合目・2390m
B総所要時間: 27時間29分(入山から下山までの休憩宿泊総時間)/往復10.5Km・標高差±1435m


第1日 8/8: 富士宮口新五合目・八合目3230m、池田館泊


・富士宮口新五合目、出発 12:29・2390m

マーチャンの愛車クラウンで11時着、既にPは満車、下山者を待っての駐車となった。

メンバーは、右から

・マーチャン・・・近場はMTBで用足し、歩道橋の階段で足腰鍛え、猿投山1回登頂

・友ちゃん・・・日々の散歩で健脚キープ、富士登山7回目

・取材記者・・・安近鍛で体力維持、富士登山2回目

気圧順応時間は、P探しと食事の1時間30分

高山病予防
マーチャンと取材記者は、食べる酸素と携帯酸素各2本、



・新五合目Pの様子・ 12:44

Pは満車で、路肩駐車が延々と続く、

ポイントは、下山者を捕まえて交渉して入れる。



・六合目記念・2500m 12:57

ゆっくりゆっくり歩く、全員元気、

休憩時、山口県からの定年登山の夫婦と会話、車で来た、ここで一泊し明日から登るために、 標高2500mの散歩で体調を整えるという。なるほど、



・山頂は何処? 13:26

入山一時間、休憩も慣れた頃、期待と不安が交差する。



・新七合目・2800m 14:12

下山者の情報で、山頂は晴れていたというが、雲行きが怪しくなってきた。

マーチャン元気そう?

・国際親善・14:22

新七合目休憩時に知り合った、呉市から来たという米国人英語教師、小学生&ガイドの友ちゃん

小学生は、自分の名前をMy name is ・・・・と大きな声で告げた。女性は、very goodと大きな声で褒め称え二人は仲良くなった。 こども英語教室の成果と思う。

富士山は、外国人に人気です。今回目が合い挨拶した外国人は、この他にもカナダの女性、フランスの青年2人組、 インドから来た精悍な3紳士といろいろです。

・山頂は何処か? 14:32

あれか? あれは宝永山の頭です、山頂は右上遥か雲の中です。

 マーチャンの心境は? 写真をクリックしてね。

取材記者は、雷雲の接近を予知するために携帯ラジオのSWを入れ、いざとなったら素早くレインを着るように告げた。

・雨のちガス 15:45

山中ではしばしば豪雨に遭遇します。いかに早くレインを着るかが重要です。 ずぶ濡れになれば低体温症の危険が迫ります。

幸いに小雨で済み、無事に3000m到達です。しかし、マーチャンは手がかじかんで手袋が外せないという。 手を握ると、氷水に浸したように冷たく、私と友ちゃんはびっくりした。



・元祖七合目・3030m 16:00

本人は、秋になるとこのような現象が出るという。しかし、私は異常と判断した。

撤退もよぎったが、ここで十分休養し、八合目の診療所で相談することにして前進した。

・八合目・池田館&診療所 3230m 17:07

八合目への道のりは長かった。所要時間40分が67分、

途中、レスキュー隊3名が脱兎のごとく下る。 そのあとから、AEDを背負ったレスキュー隊員が続く、高齢登山者の心肺停止?

我々の登山計画は、全員元気ならここから御殿場道へトラバースし、赤岩八号館でゆったり泊の予定であったが断念、 我々は、ここで泊まるか、撤退すべきか判断を迫られた。

私は、マーチャンを説得し、診療所のドアーをたたく、中に入り、呼び出しブザーを押しても反応がない、 心肺停止の往診で不在?、しばらく待つと奥から学生医?の若者が出てきた。先ほどのレスキューは、19歳の青年が 心肺停止で出動中という。

ところで、どうしましたか? はい、手が冷たくなって元気がないので診てください。
学生医は、マーチャンの人差し指に血中酸素濃度計をセットし、70で高山病という。次に友ちゃん80、 取材記者90という結果がでた。

マーチャンは、大きな酸素ボンベの横の椅子に座り、マスクを嵌められ酸素吸入となった。数分ほどと思うが見る見るうちに血色が よくなり回復した。

お蔭で、我々は八合目で宿泊すれば、明日は全員元気で登れると判断した。

《判断基準》

 SpO2濃度(%)

・100〜96%・・・正常(注1)
・95〜91%・・・やや正常
・90%〜・・・異常

(注1)血液中のSpO2濃度は、普通の人はいくら走っても95%以下にはならない、

血中酸素チェッカーの詳細は、⇒ パルスオキシメーター





第2日 8/9: 八合目(池田館)・山頂・新五合目へ下山


・ご来光 5:11

池田館の宿泊は、身体検査で衣服に濡れあれば着替えろ下着を触る、あわやセーフ、食事は僅かなカレー、水はコップ一杯限り、 一坪以下の桝席に3人、マーチャンは、早々にイビキをかきながら熟睡した。

私は、携帯ラジオで下界のニュースと天気予報を聞く、山小屋のご婦人は、ここのところ午前中は晴れるが午後は雲が出るといった。



・池田館の看板 5:16

池田館は南向きのようで、ご来光は真横からとなる。ガイドの友ちゃんは、御殿場道の赤岩八号館を奨める。

池田館と診療所の間に、登山者を数えるための赤外線カウンターが設置される。我々は、何回も往復したが、 7,8月で30万人というから気にしないことにした。



・登山道 6:14

登山道は、進路を誤らないように矢印、ロープで守られる。特に、落石防止の鉄棒が沢山打ち込まれていた。 登路は、落石事故の度に、付け替えられ毎年移動すると思われた。

我々は、20〜30mごとの矢印で休憩しながら一歩一歩登り九合目を目指した。

・腰掛石 6:25

マーチャンは、休憩の達人です。腰掛石の数だけ休憩し、活用した。



・九合目・万年雪山荘 3410m 6:38

我々は、ここで一息入れ、青い空気に勇気づけられ、全員登頂できると確信した。




・愛鷹連峰 6:42

私は、眼下の愛鷹連峰をじっと眺める。

その主峰の越前岳1504mに今年の6月に登り富士を仰いだ。 今、その逆絶景を目の当たりにしたのだ。感激!




・九合目風景 6:43

空気は薄いが空は青い、登山者は皆静かに深く呼吸する。




・九合目風景 6:45

登山者は皆静かに休む、老いも若きも、




・九合目上 7:07

一歩一歩、風景変わらず。




・九合五勺・3540m 7:34

山小屋の名は、胸突山荘、若者もへたり込む、

布団が干してある、今日は天気が続くようだ、ありがたい。


・近くて遠い山頂 7:37

九合五勺からの眺めです。

あと、標高で236m登ると山頂です。あと、何回休憩するか?標高差6mで休むとすると、39回、



・案内板 7:45

九合五勺出口の案内板です。

山頂へ550m、30分と出ました。ならば、我々は60分と瞬時に判断します。

・一歩一歩前進 7:52

友ちゃんの笑顔、激励、頑張るマーチャン

前方のシャープエッジは、富士宮ルートと御殿場ルートの境界線をなす溶岩流の尾根、



・万年雪 8:01

振り返ると、万年雪山荘横に雪渓を確認、



・おめでとう・ 8:40

ついに、浅間神社奥社の一の鳥居に到着しました。



・浅間神社奥社参拝記念 8:34

奥社に参拝し、”富士山高齢者登拝者名簿に記帳しました。 宮司より、お神酒拝し、杯と記念の扇子を拝受、

高齢者登山者とは、70歳以上が対象で、記帳者には毎年、登頂者名簿が贈られる。 ちなみに、S21の名簿を見ると、最高齢者は94歳、数え70歳以上が982名、

みんな疲れた、しばらく休憩、朝食のパンと牛乳を済ませる、マーチャン、友ちゃん食欲がないという。 私は、前回は食欲なし、今回は食欲あり、全部たいらげる、これは、ゆっくり登ったマーチャンのお蔭です。

・剣ヶ峰へ 9:08

最後の難関です。
奥社から剣ヶ峰へは標高差で56mの厳しい登り、

・火口拝見 9:09

残雪は、お釜の底にあと僅か、今年は暑いのだ、


・剣ヶ峰へ 9:15

尾根の左側に鉄製アングルの柵が続く、これは、かって強力が測候所に荷揚げするときの命の柵です。 冬季、強風に吹き飛ばされないように、カラビナをかけ一歩一歩登った、

私は、その柵をつかんでずり落ちないように登った。



・最後の登り 9:16

最後の、一歩一歩の始まりです。

・剣ヶ峰登頂記念 9:31

マーチャン一行、日本最高峰を征服、快晴、無風、爽快なり、

ここで一句

『 同級生 チームワークで 富士登山 』

・北アルプス遠望 9:35

剣ヶ峰より北西はるかに南、北アルプスを望む、雲間に浮かぶ峰々、青い空

・二等三角点 9:44

日本一の富士山は一等三角点と勝手に思っていたが、何故か、二等なのだ、

詳しくは、
Wikipedia三角点

・二等三角点 9:45

石柱一辺の長さは、一等18cm、二等15cm、 石柱の下部には盤石が埋められる。

更に、富士山の三角点は、周辺を石とセメントで守られる。

前回登った時は、高山病上がりでボーとしていたが、今回は、じっくり観察できた。

・山頂の山小屋 9:46

須走口頂上の山小屋です。ここでも多くの登山者が宿泊します。

我々は、ここで泊まる発想はなかったが、一泊し、星空でも眺め、のんびりお鉢めぐりするのも良さそうですね。

・荷揚げ 11:43

近年、山小屋への荷揚げは、ブルドーザーです。

我々が山頂の食堂で求めた『富士山の天然バナジューム水』も 彼が荷揚げします。彼の活躍が富士登山を支えています。

ごくろうさん、

・下山 11:46

下山開始から1時間ほどが経過した。下りはそれなりの速度で進みますが、疲れは膝に来ます。 やはり一歩一歩がよさそうです。

山小屋を数え、八合目は未だか、八合目は未だか、

休憩中の高齢者夫婦との会話です。
おそがけに登ってくるのでどの様なプランかとた尋ねた。 六合目で泊まり、更に八合目で泊まろうと宿に入ると、宿の主人が、それなら九合目で泊まって明日頂上へ登りなさいとアドバイスあり、 八合目の宿泊を断られたという。 なるほどと思った。

・オンダテ 13:41

富士山の緑化に貢献している『オンダテ』です。

近年の温暖化で、八合目付近まで繁殖した。

・宝永山の頭 15:02

この風景になると新七合が間近です。

友ちゃんの好きな宝永山です。今回は、そこを巡る余裕はありません。

・新五合目P到着記念 15:58

全員無事に下山、おめでとう!

最後の階段を下ると、ボランティアガイドの皆さんがお疲れ様とねぎらいます。 剣ヶ峰まで登ったよと胸を張るマーチャン、カメラ渡しシャッターをお願いします。

帰路は、天母の湯で疲れをほぐし、夕食を済ませ、十分休憩し、東名経由で帰豊した。

マーチャン、友ちゃんお疲れ様、ありがとう。



《取材メモ》
今年の夏は、燕岳と決め準備したが天候がすっきりせず延期となった。そこへ、今回の富士山が飛び込んだ。 結果は、報告の通りですが、同級生3名で意気投合し決断実行した。
幸い、3人のチームワークで、無事故登頂を果し、とりわけ”マーチャンの富士登山”が実現し、 友ちゃんも私も富士登山を堪能できた。
そして、この山行記録を皆さんへ報告できることをありがたく思っています。

次に、今回の富士登山で感じたことをとをメモに残します。

@高齢者の富士登山は皆さんそれぞれに工夫し、ゆったりプランで実行しているようだ。

A我々は、八合目診療所の酸素吸入に助けられた。高齢者は、少しでも体調に異常があれば受診すべきと思う。  毎年、多くの登山者が助けられると思う。高齢者は、診療所閉鎖(8月下旬)前の登山がおすすめ。 ありがとうございました。

B高齢者の富士登山者の割合は、70歳以上が毎年900人、人口2150万人で割ると、0.0042%、 72歳単一年で見ると、103人、人口143万人で割ると、0.0072%、全人口でみると30万人割る1億人で、0.3%となる。 数字で見れば、年に1回富士山へ登る人の割合はこの程度なのだ、とりわけ高齢者(70歳以上)の比率は少なく、 我々3人は、幸せな人間といえる。

また、同級生の生存者70名中3人が登ったことは4.3%で快挙かも、誰も褒めないかも、

Cこのようなストレステスト(富士登山)は、ボケ防止に役立つか?PPKに役立つか?

 もし、役立つとすれば、下記の提案をしますので、皆さんの意見をお聞きします。

 ・M31の希望者で、友ちゃんのガイドで年に一回登る、

 ・登り方はいろいろあるが、最も遅い人に合わせる。

 ・血中酸素チェッカーを購入し、90%を下回らないように休憩、宿泊する。長期休暇が必要、

《JA2TKO山川柳》

”富士登山 一歩一歩で 成功し” ・・・ 初登頂のマーチャン

《富士登山関連サイト》
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