鹿児島県熊毛郡屋久町・世界自然遺産
宮之浦岳(100名山)1936m
Jul 29. 2003

←宮之浦岳
写真は、栗生岳付近からの山頂の眺めです。

そこは、近年世界自然遺産に指定され、洋上のアルプスと言われる屋久島 の最高峰です。地元では宮之浦岳一帯の山々を古来から”奥山”と呼び、神々の領域と崇められています。

この計画は2003年の初夢を膨らませ、やまびこ会有志11名での初挑戦です。

当日の天候は晴れ、午後から曇り後雨の予報です。一行は、12:00登頂を目指し、民宿『杉の里』 を5:00にレンタカー3台で出発しました。

そのコースは、往復12km・標高差666mですが、アップダウンが続き、シニアーにとってはハードなものです。 それでは、一行11名の足どりを報告します。最後までご覧下さい。


山歩きマップ & タイム

@淀川登山口 6:12発・海抜1360m
A淀川小屋 6:52着・朝食・7:34発・1380m

B小花之江河 8:53着・9:00発
C花之江河 9:10着・9:15発発・1600m
D黒味岳分岐 9:32着・(黒味岳隊2名を見送る)
E投石平 10:02着・1680m

F水場 11:11着・1710m
G宮之浦岳山頂 12:03着・記念写真・12:22発・1936m
・栗生岳付近での岩陰で昼食

H水場 13:35
I投石平 14:53着
J黒味岳分岐 15:20着

K花之江河 15:40着・15:46発
L小花之江河 15:55着・ここから小雨
M淀川小屋 17:20着・17:30発
N淀川登山口 18:20着

・所要時間
 登り 5時間51分(+頂上写真19分)・下り 5時間58分(含む昼食)
・往復所要時間
 12時間08分/往復12km


←淀川登山口・1360m
ここへのアクセスは、安房でR77からヤクスギランド方向にR592で 約1時間の山岳ドライブを楽しみながら進みます。紀元杉を右手にみてまもなくして登山口に到着です。

登山口Pは、バスとタクシーの折り返しのゾーンを除いた僅かなスペースです。 我々は、6:00頃到着しましたが、もうほとんど満車状態でギリギリセーフでした。 でもどんどん奥のほうへ進めば路肩駐車はOKと思われます。 入山は、この標識を右にどんどん分け入ります。最初から、かなり急な上りとアップダウンが続きます。


←淀川小屋→
6:52到着、早速、昨夜民宿『杉の里』手配の朝食弁当(おにぎり2個とおかづ)を頂きました。 外気温は18℃。

杉の切り株上の天然盆栽をバックに朝食後の記念写真です。この表情なら、頂上まで行けそうですね。


←奥山を目指す
屋久杉の先輩と後輩が入り乱れる険しい樹林帯です。苔むした巨木の巨大な枝を眺めながらもどんどん 進みました。

高盤岳展望所→
山頂にあるのがトーフ岩です。


←花之江河・1620m

9:10到着、休憩5分。
日本最南端に位置する高層湿原で、自然美の極地。 ここは、いろいろな従走路の中継地で登山者のオアシスのようでした。

黒味岳分岐→
ご婦人2名は、翌々日の縄文杉登山を最優先にしたいので、 大事を取って、この分岐点から往復約1時間の黒味岳1831mを目指しました。


←険しい登山道
奥山への道は一層きびしくなってきました。ロープ伝いの急登や木階段が交互に続きます。

投石平→
11:02に通過です。近くには投石岩屋。右手の投石岳をかすめて徐々に高度を上げていきます。


←栗生岳・1867m
標識の上に大きな岩石があり、そこが山頂のようでした。 矢印方向に岩屋があり、格好の避難場所です。
そこをやり過ごして少し登れば、宮之浦岳の頂上はもう目前です。

宮之浦岳登頂記念・1936m→
頂上を目指す一行を待ち構えたように、洋上から吹き上げたガスが覆います。折角の記念写真もガスの中でした。 少し待てば、ガスは上がると思われましたが、登頂の感激と冷気を胸いっぱいにして、安全第一で早速下山しました。


←山頂の風景→
この写真は、一旦、栗生岳近くに下山後、ガスが抜けたので私が駆け足で再び登り、宮之浦の稜線から撮影しました。 そして、駆け足で下山中に木階段で転倒し大変にまいりました。従ってこの写真は私にとって大変に貴重です。

左が、荒川登山口方向、右が石塚山方向の眺めです。奥山の、この眺めの中の岩屋は 神々の住居にふさわしいですよね。


←昼食でーす
栗生岳の岩屋の隣の大岩の陰で、おのぎり3個とトビウオのミンチの薩摩揚げの弁当です。

大岩は、ご覧のように、かさぶた状の花崗岩です。 屋久杉の生息する山腹もこのような岩盤のきびしい環境のようです。

昼食後は少しの間ガスは抜けましたが、まもなくして天気予報が的中しました。完全防水?に変身し、一目散に下山です。 しかし、花之江河までは、本降りでなく助かりました。


←淀川登山口
ヴィッツ2台が待つ淀川登山口に18:20到着です。ここまで一気に下山できるほど生易しいものではありませんでした。 なにしろ、アップダウンの連続と雨が行く手を阻みます。 我々が到着した時は、出発時満車の駐車場には、 我々のヴィッツ2台(他の1台は栗生岳隊が先に下山)と軽のレンタカーの3台だけになっていました。

従って、我々は、当日のパーティーの中では最遅登山隊ということが証明されました。 でも、大きな事故もなく希望者全員が5時間51分で登頂し、5時間58分で下山できました。 この偉業は、やまびこ会の日ごろの活動の成果と参加者のチームワークのお陰です。

《あとがき》
@登山路:豪雨地帯の山岳道にもかかわらず、足場の悪い場所の多くは登り易い”木階段”で 整備されていました。そのお陰でシニアー登山が可能になっていると思われました。 また、岩盤は、大粒な石の混ざった花崗岩で、滑り止め効果のある岩面です。これも大助かりでした。

A感想:何よりもよかったことは、希望者全員が無事に登頂できたこと。そしてその感激を全員で体感でこたことです。 また、奥山の大自然を堪能したことは生涯の思い出となると思います。参加の皆さんは、自信もできて 若返ったと思います。


←イッスンキンカ [一寸金花][Goldenrod]
・安房岳の岩盤に咲く花、写真をクリックし観察してください。
・標高の高い岩場などに生育。
 文字通り、3cm程度の草丈で夏場に黄色い花をつける。
・キク科 アキノキリンソウ・セイタカアワダチソウの仲間。
・屋久島固有

高山植物のミヤマアキノキリンソウによく似ているが、この植物もやはりとても小さい。 環境にもよるが高さ10cmに満たない。


←やまびこ会企画『屋久島一周スペシャルツアー』

写真をクリックするとこのツアーに参加できますよ。
ごゆっくりどうぞ!



←やまびこ会推薦の”民宿『杉の里』”のHPです。写真をクリックし、申し込みもOKですよ。 (場所は、安房のすぐ隣の春牧バス停近くです)

この宿は、宮之浦岳・縄文杉登山へのアクセスもよいし、アットホームでVery Goodですよ。 やまびこ登山隊が2003.7.28〜7.31までお世話になりました。 ご飯もおいしいし、ご主人の配慮で、登山のVTR情報もGood Timingで上映していただきました。 静かな環境です。家の前の生垣は、ハイビスカスが満開で歓迎してくれました。ありがとう。



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