静岡県焼津市
満観峰470m & 花沢山450m
Jun 10. 2012

満観峰山頂風景

満観峰は、やまびこ会にとって今回は3度目の新春登山です。焼津IC近くの花沢集落から、 みかん畑・茶畑を眺めながらの安全安心登山です。

毎回少しずつコースも、参加者も異なりますので今回も山紀行をアップしました。前回、前々回と見比べてお楽しみください。

・満観峰&高草山・初回(2002.1.8)
・満観峰、高草山&林叟院・2回目(2006.1.10)

写真説明、
当日、満観峰から富士は肉眼で僅かばかり、カメラ撮影は不可、
この風景は、山頂の 東海自然歩道バイパスコース案内図(静岡市役所スポーツ振興課)の写真です。


@コース案内(カシミール3D): マップ断面図
A登山口:花沢集落の観光P
Bコース:花沢集落⇒鞍掛峠⇒満観峰⇒日本坂峠⇒花沢山⇒日本坂峠⇒花沢集落
C総所要時間: 6時間/沿面距離6.9Km・標高差±727m


・登山口=花沢集落 9:47

花沢の観光Pから集落を散策し法華寺へ、途中には常夜灯、竹の長塀、水車などを眺めます。

この道標には、右へ花沢、左へ高崎

常夜灯は木製である。火袋の中を調べると電球あり、配線は地下ケーブル。 かっては、この灯りで日本坂峠が近いことを知る。今は、スマホのGPS,



・みかん農家 9:54

長屋門の一部をくり抜きミカンの無人販売、

ハイカーは、一袋100円でゲット、

・案内図(クリック拡大) 10:00

法華寺前のコース案内図、

コース全体が分かり易い、この図は、林道に車を置くな!地区の苦情にも対応しているのだ、焼津市商工観光課



・立ち入り禁止 10:05

法華寺境内から日本坂峠への登山口に立ち入り禁止の看板、焼津市観光課、 地元のハイカーに聞くと、昨年9月の台風で倒木多くダメという。

協議の結果、鞍掛峠経由で満観峰を目指す。

・最澄上人の聖句 10:06

法華寺の境内に、 官僚と政治家に読んでもらいたいお言葉、

世のため、人のため  現世は、自分のため、党のため諸悪の数々!



・鞍掛峠へ 10:08

この標識を確認し入山、 ここまでが、花沢の里で、この上がミカン畑と茶畑、



・花沢の里風景 10:11

少し登り、みかん畑からの里の家並と法華寺を見下ろす。



・鞍掛峠 10:40

30分ほどの急登で汗ばむ、峠着、左へ高草山、右へ満観峰

ここが、Pから山頂への中間点、

この先では、行き交うハイカーに富士は見えるか再々尋ねる。 答え、見える見える。

・満観峰着 11:50

全員、富士山の方向を眺める。ほんの僅か頭が見え隠れ、

シニアーの視力はデジカメより良いのだ!自信をもとう。

・満観峰記念 12:09

山頂は快晴無風、
今日は天気が良いといい、地元のハイカーが弁当持って登ってくる。

聞かなくても、年間250回登る、倒木は我々が伐採した。市役所は、看板を立てたが、まだ外さない。 下山は日本坂峠へ行けるという。

感謝!

・標識 12:09

10年前の標識は健在のようだ、



・東海自然歩道バイパスコース 12:18

クリックしてご覧ください。
山頂のあずまやの横に静岡市役所のスポーツ振興課が立派な案内図を建てた。



・下山開始 12:22

茶畑の多くは放棄され、一層茂り、荷揚げ用のケーブルは錆びつき、作業小屋は朽ち果てていました。



・東海自然歩道 12:27

かっての作業路を、東海自然歩道バイパスコースと呼ぶ、

・放棄茶畑 12:29

これも、TPP以前の日本の現状なのだ!

・風車再見 12:45

この風車の名前は『風電君』という。

H16安倍川河口の下水処理場内に静岡市が明電舎に発注したドイツ製風車、出力は1500Kwで、処理場内電力の20%賄う。

詳細は、 『風電君』へ

・日本坂峠 13:23

ここは、日本武尊(やまとたけるのみこと)が東征のさいに通ったとされる峠です。

この倒木は、昨年9月10日の台風12号がもたらしたようだ。 峠は、満観峰と花沢山に挟まれて、シュラウド効果で風速がアップするために この様な沢山の倒木で登山路は不通となった。しかし、地元のボランティアが復旧に立ち上がり、 現在は何とか支障なしに登山が可能となった。

この峠で、花沢山登頂13名と下山直行5名に分かれた。写真は、花沢山を目指す健脚隊員、

・花沢山登頂記念 13:58

峠から南東へ急登35分、その尾根のピークが花沢山で、東名高速日本坂トンネルの真上です。

途中焼津港と駿河湾の眺望が開ける、電波反射板を過ぎれば山頂は近い。 山頂は、人工林が高く視界は良くない。

しかし、やまびこ会にとっては初登頂である。良かった良かった、

・日本平 14:10

花沢山の痩せ尾根から、 静岡市街の先に日本平&久能山を一望する。

巨大津波が安倍川河口を襲うことがないことを願う。

日本平は、ドライブコースであり、何度も訪問したが、歩いて登ったことはない。

・満観峰 14:10

途中二か所で満観峰を確認する。



・花沢の里観光P 15:24

全員無事に下山、万歩計は18500歩を示す。

お疲れさん、



《取材メモ》
今回の登山に参加し、取材して、

1、満観峰を三度歩き思うこと

焼津市は、人口146,800人の遠洋漁業の町である。その東端の日本坂トンネルの入り口に花沢の里がある。
そこは市内の東益津地区で旧字名の集落が14ほど現存する。花沢の里の世帯数は51戸で、人口は158人、市人口の0.1%である。 集落の法華寺には、一隅を照らす、これ即ち国の宝なり と石碑に刻まれる。
我々が三度登った満観峰、今回初登頂の花沢山は、元来花沢村の茶畑である。両山の日当たりのよい斜面は山頂に至るまで茶畑である。

山頂までの茶畑は、想像を超える苦難と戦い、長い年月が必要であったと思う。 山頂は、彼らの仕事場で収入源である。そこで、弁当を食べるのは当たり前であり日課である。里の人が弁当を食べに来たというのは、 かっては、日課であった名残なのだ。早朝から資材を担ぎ登り、作業小屋にたどり着き、肥料をまき、消毒をし、収穫をしたのだ。

そこへ、モノレールやケーブルを建設し、荷揚げ荷下しが出来るようになり、村中に笑顔があったと思う。その建設費も重く、僅かな歳月で 総べたが放棄され、林道と軽トラと高齢者に変わった。林道から奥の畑から放棄されると思う。 我々は、自分の弁当だけ持っての登り下りである。花沢の現在の人口158人のうち男性73人、女性85人、我々以上の高齢者も多いと思う。

当日は、山中での彼らの雄姿を一回も見なかったが、唯一機能していると思われた作業小屋を覗いてびっくりした。農薬と肥料が積んであった。 私は、お茶は病虫害に強く、肥料もいらないと思っていたからである。無知であった。

残された急峻な茶畑もこらから寒肥をまき、消毒を済ませ、剪定をし、八十八夜を迎えるのだ。

この様な、山村遺産は、何処も風前の灯である。静岡県も焼津市も頭を抱える問題と思う。どうしようもない日本の現実を見ると心が痛む。

私は、日本での、日本人による、日本人のためのお茶が必要と思う。行政の対応は?であるが、 農山村遺産保全法を制定し、プルサーマル原発推進などの原発開発巨費の一部を回せば、日本の山村にも笑顔が戻ると思う。

2、山中の案内標識について

観光立県の静岡県の山に行くたびに感じています。それは、何れの地域の山も案内図、標識などは年々充実しているように思うからです。

そこで、思うことは、標識は誰が立てるのか?今回新たに確認した標識は、焼津市商工観光課、静岡市スポーツ振興課が設置したものでした。 昨年も各地で確認した部署は、産業振興課、スポーツ振興課、健康増進課などいろいろです。

私が住む豊田市も近年は山域が増えて山中の案内標識の整備が必要になってきました。担当の商工観光課に尋ねると反応はネガティブです。 他に、健康増進課があり、市民が散歩するための市街地のコース案内図を時々立てています。 しかし、市民のメタボ対策が本命のようで胴回りを計るメジャーを渡しますが、ハイキングコースなどの前向きな対応は考えられません。

そこで、豊田市長に提案です。
静岡県、静岡市、浜松市の進め方を学び、豊田市民の健康増進を願って安全安心のハイキングコースの整備を積極的に推進する 部署の特定と推進強化をお願います。

やまびこ川柳

”三度とも 魚センター 休業だ”・・・焼津の魚センターで買い物したい参加者全員

”今日もまた 弁当を食べに 満観峰”・・・年間250回登る地元の暇人

”快晴日 出かけてみれば 富士何処”・・・富士山見たさに初参加したゲスト

皆さん、Friendさん、お元気で




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